挑戦者の快走に期待、あらゆる適性でGI馬達を上回る/中山記念
父や母の父同様、充実するのはこれからだろう
5頭もGI馬が始動する好カードになった。この頭数だけに評価を下げていいGI馬はいないが、ここが目標ということはない。GI馬5頭はみんな揃って今年の始動戦であるのは事実である。GI勝ちのないウインブライトはランキングでは一歩も二歩も譲るが、逆に目下絶好調に近い。GI馬の仲間入りするくらいの快走に期待したい。
昨年のこのGIIを含め中山の1800mは【3-0-0-0】。抜群の距離適性、コース適性を誇るうえに、GI馬にはない冬シーズンヘの適応力もある。GI馬は総じて春か秋に体調を上げる手法をとってきたが、現時点のウインブライトはそういう立場ではない。
秋後半からにしだい調子を上げ、今年1月の中山金杯を制したように、ビッグレースの季節と少しずれる12月から3月までなら6戦【4-2-0-0】。パーフェクトに近い成績を残している。勝った4重賞のうち3つがこの季節。残る1勝も晩秋に近い11月の福島記念だった。
この偏りはこの馬だけの特質でもない。父ステイゴールドの制した重賞は4つ。うち3つが同様に12月から3月だった。最後にとうとう制したGI香港ヴァーズは12月末である。母サマーエタニティは名前に合わせて夏に勝ったが、母の父アドマイヤコジーンの快走も冬シーズンに集中していた。制した重賞5勝のうち安田記念以外の4勝は寒いシーズンだった。
58キロの前回はあの相手だから自信満々に控えて差し切り勝ちしたが、ここはどうみても挑戦者の立場。積極的(早め)に動くだろう。昨年の中山記念は1分47秒6(上がり34秒9)だったが、一段とパワーアップした今年、時計短縮は十分に可能だろう。ここ2-3年の中山は、かつての高速馬場ではなく、1分47秒前後で勝ち負けになるはずである。追い出してのしぶとさは昨年を上回っている。
父ステイゴールドがずっと挑戦を続け、ついにGIを制したのは引退レースの7歳12月だった。母の父アドマイヤコジーンの安田記念制覇も、故障を克服して長いブランクからよみがえるように復活した6歳時だった。ここまではGIII、GIIクラスだが、たくましくなったウインブライトはまだ5歳春。充実するのはこれからである。父ステイゴールド産駒の重賞勝ち鞍は現在、99勝である。