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【引退/中村均調教師】特別インタビュー(2)「トップジョッキーを乗せるのではなく、隠れた逸材を伸ばしてあげたい」

  • 2019年02月26日(火) 18時02分
今週のface

▲ビートブラックで天皇賞・春を勝利、石橋脩騎手にとって初のGI勝利となった (C)netkeiba.com


2月28日をもって引退する中村均調教師。若干28歳の若さで調教師試験に一発合格。調教師人生は42年におよび、トウカイローマン(オークス)やビートブラック(天皇賞・春)を輩出しました。中村師の足跡をたどるインタビューを、2/25(月)〜28(木)の4日連続でお届けします。

「三流、四流の馬で一流馬を負かしたい」というのが中村師の競馬のロマン。しかし、「アッと言わせるけども最後は力尽きてしまう……それが僕の本当の美学」と語ります。トウカイパレスやボールドエンペラーに見る、「負けの美学」。

ホースマンとしての美学を貫いた中村師には、騎手の起用にもこだわりがありました。あの佐藤哲三元騎手の名を全国区にしたのも、まさに師の信念の賜物。当時の思いを語ります。

(取材・文=不破由妃子)


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──「三流、四流の馬で一流馬を負かしたい」という、先生ならではの競馬のロマンを追い続けてこられたとのことですが、そんな先生のロマンを通して、我々も忘れられないレースをいくつも見せていただきました。

中村 僕にとっての会心のレースは、人気薄で“してやったり”というようなレースがほとんどですからね。一番最初にGI(1984年オークス)を勝ってくれたトウカイローマンもまったく人気がなかった。でも、どうしたら勝てるかいろいろ計算をして、それを実戦に生かしたレースだったんですよ。

──9番人気でしたが、先生にとっては狙って獲ったタイトルということですね。

中村 そうなんです。もうひとつ、天皇賞・春(2012年)のビートブラックも、一か八かの奇襲作戦でしたからね。万が一、オルフェーヴルを負かせるとしたら、もうあの競馬しかないと思った。もちろん石橋くんの好騎乗のおかげですが、僕としても“してやったり”だったし、これこそ競馬のロマンだと感じました。

今週のface

▲2012年の天皇賞・春、ビートブラックは14番人気の伏兵だった (C)netkeiba.com


中村 ただね、アッと言わせるんだけれども、最後は力尽きて負けてしまう……それが僕の本当の美学なんですよ。いわゆる負けの美学ですね。

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ジョッキーや調教師など、毎週“旬”な競馬関係者にインタビュー。netkeiba特派員がジョッキーや調教師、厩舎スタッフなど、いま最も旬な競馬関係者を直撃。ホースマンの勝負師としての信念から、人気ジョッキーのプライベートまで、ここだけで見せてくれる素顔をお届けします!

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