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弥生賞における前走500万条件組

  • 2019年02月26日(火) 12時00分

正直、おいしい雰囲気は…


 今回は弥生賞における前走500万条件組について考えてみたい。今年の登録馬ではカントルとサトノラディウスが上位人気に食い込みそうな情勢だ。

 前提として、前走オープン好走馬が少ないほうが前走条件戦組にとっては有利なはずなので、まずはそこを見てみよう。今年の弥生賞は前走オープンの1〜3着馬が3頭登録。過去20年の最少は1頭、最多は6頭で、平均は3.9頭。やや少なめだが、極端に少ないわけでもない。

「例年よりやや有利」くらいの状況として、では例年の前走500万条件組はどのような成績なのか。

 過去20年[2-3-2-65]、回収率が単32%・複30%。勝ってきた馬限定でも[2-2-1-34]で単59%・複40%。正直、グループとしておいしい雰囲気はない。

 前走500万勝ちで弥生賞1〜3着した5頭は以下の通り。

99年3着マイネルシアター→ホープフルS4着
00年1着フサイチゼノン→シンザン記念5着
03年2着スズノマーチ→オープン出走なし
13年1着カミノタサハラ→ホープフルS3着
17年2着マイスタイル→シンザン記念5着

 5頭中4頭はオープンでの掲示板経験があった。500万を負けて弥生賞で好走した2頭は以下の通り。

10年3着ダイワファルコン→オープン出走なし
11年2着プレイ→京成杯3着など

 ここまで含めた7頭中5頭はオープン掲示板から自己条件を経由して弥生賞に至ってきたことが分かる。

 逆に、弥生賞1〜3番人気になった前走500万条件組は[1-0-0-6]で、勝ったのは前出のフサイチゼノン。残り6頭のうち5頭はオープン出走歴なし、1頭はホープフルSに出走していたが7着のフェノーメノだ。

 今年のサトノラディウスとカントルは、いずれもオープン出走歴なし、ということは好走歴なしの500万条件組。これはパターンとしては良いパターンではない。例年よりやや状況が緩いことを考えると消すとまでは言えないが、この2頭を2頭とも強調した買い目というのはちょっと組みづらいと考えている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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