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3歳秋シリーズの日程変更

  • 2019年02月26日(火) 18時00分

岩手競馬では大幅な変更も


 地方競馬の2019年度の開催日程および重賞予定が順次発表されている。その中で、岩手競馬でも今年度の特別開催(3/23〜25,30,31・水沢)の概定番組とともに発表されたことにはちょっと安心した。2月20日には、盛岡・水沢競馬場で『調教始め式』が行われ、調教は始まっているので、無事に競馬が再開されることを願いたい。

 さて、すでに2019年度のスケジュールが発表されている主催者の中で、前年度からもっとも変更が多かったのが、その岩手競馬だ。

 盛岡競馬場には昨年ナイター照明が設置され、秋から薄暮開催が始まった。“薄暮”とはいえ時間帯が夕方であるだけで、実際にはナイターともいうべき周辺は真っ暗になった中で競馬が行われている。期待されたとおり、薄暮開催では馬券が売れた。そのため、2018年度は盛岡10開催、水沢12開催(2019年3月の特別開催含む、実際には禁止薬物問題で一部水沢開催が行われなかった)だったのが、2019年度は盛岡11開催、水沢11開催(2020年3月の特別開催含む)と、盛岡1増、水沢1減の開催。8月31日から11月18日までは、まさに薄暮で開催したい時期だけに、6開催、12週連続での盛岡開催となる。

 重賞では、ダービーシリーズとして行われていた岩手ダービーダイヤモンドカップが東北優駿(岩手ダービー)と名称変更され、ダイヤモンドカップは8月18日の不来方賞(9月16日)の前哨戦というべき日程に移行、回次は岩手ダービーダイヤモンドカップを引き継いだ。岩手グレードはM1のままだけに、岩手の3歳戦線はダービーグランプリを含め“四冠”となるのかどうか、そのあたりの扱いについてはまだわからない。

 そしてこれまで11月後半の水沢で行われていたダービーグランプリは、10月6日の盛岡に繰り上げての実施となる。これは当然、盛岡薄暮開催の売上を期待してのことだろう。

 そしてダービーグランプリといえば、2017年にスタートした『3歳秋のチャンピオンシップ』のファイナル。これにともない、9月中旬以降に行われていた3歳秋のチャンピオンシップ対象レースの一部も、以下の通り、すでに日程が発表されている主催者だけでも開催時期が繰り上げられた(矢印左側が2018年の開催日)。

 黒潮菊花賞(高知): 10/14 → 9/1
 秋の鞍(名古屋): 9/26 → 9/3
 園田オータムトロフィー(園田): 9/13 → 9/5
 ロータスクラウン賞(佐賀): 10/1 → 未発表
 岐阜金賞(笠松): 10/18 → 未発表
 不来方賞(盛岡): 10/21 → 9/16
 西日本ダービー: 10/23金沢 → 9/16高知

 特に西日本地区で10月に実施されていたレースは、西日本ダービーとの兼ね合いもあって1カ月半ほど前倒しとなっているものも少なくない。未発表のロータスクラウン賞(佐賀)、岐阜金賞(笠松)も、おそらくそのような日程になるのだろう。

 盛岡開催は11月18日まであるので、ダービーグランプリをその最終週に実施すれば、これまでとほとんど変わらない日程で『3歳秋のチャンピオンシップ』が実施できそうだが、10月上旬にすることで、ダービーグランプリからJBC(2019年は11月4日・浦和)へという道筋をつくるという意図があるようだ。9月前半の3歳戦線は、春(初夏)のダービーシリーズ以上の集中開催となりそうだ。また今年、西日本ダービーが開催される高知では、黒潮菊花賞から中1週で西日本ダービー、さらにそこから中2週でダービーグランプリという厳しいローテーションとなる。

 2019年度の変更点ということでは、南関東での減量規定の改正が発表されている。これまで「10勝、25勝、50勝」で3年までだった減量対象が、4月1日からは「30勝、50勝、100勝」で5年までとなる。

 地方競馬の減量規定は主催者ごとにかなりばらつきがあったものの、2017年から始まったヤングジョッキーズシリーズをきっかけに順次統一へと向かい、今回の南関東の改正によって(細かい規定には違いがあるものの)全国で統一されることになる。

 そして減量といえば、今まさに話題となっているのが、この3月からJRAで女性騎手が恒久2kg減となること。現在地方競馬では、岩手、金沢、東海、高知、佐賀などで女性騎手は1kg減となっている。地方競馬教養センターには現在数名の女性騎手候補生もいるだけに、地方競馬でも女性騎手の恒久減量が変更されるのかどうか、注目されるところだ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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