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阪神JF勝ち馬に良績傾向の王道トライアル/チューリップ賞

  • 2019年03月01日(金) 18時00分

単に桜花賞有力馬にとどまらないダノンファンタジーの可能性



『阪神JF…チューリップ賞…桜花賞』は同じ阪神1600mなので、きわめて強く結びついている。最近10年の桜花賞馬は、

09 ブエナビスタ    阪神J1 ……  チュー1
10 アパパネ      阪神J1 ……  チュー2
11 マルセリーナ    ……  シンザ3 エルフ1
12 ジェンティルドンナ ……  シンザ1 チュー4
13 アユサン      阪神J7 ……  チュー3
14 ハープスター    阪神J2 ……  チュー1
15 レッツゴードンキ  阪神J2 ……  チュー3
16 ジュエラー     ……  シンザ2 チュー2
17 レーヌミノル    阪神J3 クイー4 Fレビ2
18 アーモンドアイ   ……  シンザ1 ……

 牡馬も牝馬もクラシックに挑戦の日程はかなり多様化しているが、桜花賞の場合、阪神JFも、チューリップ賞も出走していないのはマルセリーナと、昨年のアーモンドアイだけ。ムリのない理想の日程は「チューリップ賞→桜花賞」とされる。ただ、今年のシェーングランツのような関東馬は、再度の輸送克服が大きな課題ではあるが……。

 約3カ月前の阪神JFの勝ち馬(今年は、関西馬ダノンファンタジー)は、最近10年のチューリップ賞で【4-1-1-1】の良績がある。例年、だいたい勝ち負けの最有力馬になるどころか、阪神JFをダノンファンタジーの1分34秒1より速い時計で勝ったのは(馬場差はあるが)、ウオッカ、トールポピー、レッドリヴェール、ソウルスターリングの4頭だけ。順にチューリップ賞は「1着、2着、不出、1着」であり、桜花賞をクビ差2着にとどまった14年のレッドリヴェール以外の3頭は「日本ダービー馬、オークス馬、オークス馬」である。ここで快走するようだと、単に桜花賞の有力馬にとどまらない可能性もある。

 ダノンファンタジー(父ディープインパクト)の母方は半世紀以上ブラジルで発展した牝系。母の父ノットフォーセール(祖父カロ、3代父フォルティノ)は、アルゼンチンのトップサイアーでもある。

 祖母の父スキーチャンプは、エイコーンSなど6戦5勝の牝馬スキーゴーグル(父は輸入種牡馬ロイヤルスキー)の産駒で、ムーランドロンシャン賞、京王杯SCなどの勝ち馬スキーパラダイスや、ケンタッキーダービーに挑んだスキーキャプテンの半兄になる。近年ではエアトゥーレ、キャプテントゥーレなどの一族。ブラジル産でも日本に馴染み深い血統を持ち、本質がスピード系だろう。

 阪神JF小差4着のシェーングランツはもちろん軽視できないが、魅力ある相手は、パワフルなマイラーと思えるシゲルピンクダイヤ。そろそろ良さが出て不思議ないドナウデルタ(母はGI7勝ジェンティルドンナの全姉)。晴れて35歳でJRAの騎手免許を取得した藤井勘一郎騎手の乗るブランノワール(12年の阪神JFの勝ち馬ローブティサージュの半妹)も侮れない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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