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皐月賞だけではなくダービーまで繋がる戦い/弥生賞

  • 2019年03月02日(土) 18時00分

弥生賞の検討で重要なのはダービーまで見据えること


 春の牡馬クラシック挑戦のスケジュールは変化し、近年は出走レースを絞る形が連続している。厳しいレースを続けると、大目標の日本ダービーまでに活力を失いかねないからだろう。最近10年のダービー馬の3歳春の日程は、以下の表の通りである。
 
データ

 最近10年のダービー馬は、13年キズナ以外の9頭まで皐月賞出走馬である。これは体系から当然であり、ほとんどの有力馬が最初は皐月賞を目ざす。

 では、皐月賞のほかにダービー馬は3歳になってどんな競走に出走していたのか。近年の皐月賞馬4頭(エポカドーロ、ロゴタイプ、オルフェーヴル、アンライバルド)が出走していたスプリングSでも、同じく皐月賞馬4頭(ディーマジェスティ、ドゥラメンテ、イスラボニータ、ゴールドシップ)が出走していた共同通信杯でもなかった。

 上の10頭の日本ダービーの成績が示すように、実は今週の「弥生賞」なのである。昨年の「ワグネリアン、マカヒキ、ワンアンドオンリー、キズナ、10年前のロジユニヴァース」までの5頭がこのレースに出走している。変則日程のキズナも弥生賞組だった。スプリングSに出走していたダービ馬はオルフェーヴル、ディープブリランテの2頭。共同通信杯に出走していたのもディープブリランテ(スプリングSにも出走)と、ドゥラメンテの2頭だけだった。

 わずか最近10年のこと。データにもパターンにもならないが、桜花賞前のチューリップ賞と同じで、「皐月賞→日本ダービー」に連続して出走し、ダービー馬となるステップには、弥生賞2000mの位置が理想に近いからだろう。全体レベルも高いことが多い。ワンアンドオンリー、ワグネリアンは弥生賞も皐月賞も両方負けた。でも大目標だった頂点の日本ダービーを手にしている。
 
 近年の弥生賞検討は、もちろん勝ち馬を探し、馬券を的中させ、皐月賞に結びつけることだが、もっと重要なのは5月末のダービーを展望することだった。

 まだ2戦だけのラストドラフトは、弥生賞に出走し、皐月賞で強敵相手と戦うとき、ダービー馬に合格可能なキャリア4戦に達する。この相手なら楽に好位追走可能だろう。やや非力に映る身体つきだが、父ノヴェリスト(その父モンズーン)は欧州の芝稍重〜重で5戦5勝の星がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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