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ダノンプレミアムの取捨は!?東西3重賞の追い切りチェック!

  • 2019年03月06日(水) 18時00分

「危険な人気馬」になる可能性が高いと思っていたが…


 先週の弥生賞。◎ブレイキングドーンは悪くなかったと思いますが、あそこまで馬場が渋るなら○カントルと▲メイショウテンゲンの印順を逆にできたなあと後悔。といっても、天気予報の降水開始時間がどんどん早まったのは、入稿を終えた2日の午後だったので、天気については決め打ちするしかなかったような気がします。

 さて、今週はなんといっても金鯱賞。そして、なんといってもダノンプレミアム。日本ダービー以来ということで、その取捨選択に頭を悩ませるファンは多いことでしょう。こんな時こそ、皆さんの役に立つよう、しっかりと調教分析したいと考えていますが、私が行う分析は、自分の主観と客観的な調教データがメイン。そこには管理する中内田充正調教師をはじめとした、関係者の思いは入っていません。

 中内田充正調教師には普段から次走報や新馬デビューの情報など、netkeiba.comにもいろいろご協力いただいていますが、ダノンプレミアムのことについて詳しくお話を聞いたことがありませんでした。

 それだけに、私自身も「どうしてここまで使っていないのだろう?」と疑問に思うこともありましたが、さすがはnetkeiba.com。そこは大恵陽子さんが「ノンフィクションファイル」でしっかり取材してくださっています。私もこれを読ませていただいて、なるほどと思うことがありましたし、こういった関係者主体の記事もしっかりと読んでいただいた上で馬券検討していただければと思います。

【中山牝馬S/ミッキーチャーム】

 昨年、アーモンドアイに最も冷や汗をかかせたとすれば、この馬の秋華賞でのパフォーマンスでしょう。だからなのでしょうか、ここで背負うハンデは55キロ。これを単体で見れば、少し見込まれた印象もありますが、他との比較でノームコアも55キロなら納得。あとは休み明けがどうかという点だけです。

 1週前追い切りに関しては、トレセンニュースでも記しましたが、気持ちばかり高ぶっているように見えた3歳秋に比べると、今の方が走りに集中できるテンションの高さに思えます。追い切り本数としては決して多くありませんが、休み明けとして必要な分量はこなしているように思いますし、最終追い切りも素軽い動き。この状態で無様なレースはできないでしょう。

ミッキーチャーム

最終追い切りで素軽い動きをみせたミッキーチャーム


【金鯱賞/エアウィンザー】

 4連勝でチャレンジCを優勝。その勢いはとどまるところを知らないという表現で間違いないような気がします。しかも2着につけた差がこれまでで最大ですから、走るたびに強くなっているという印象すらあります。

 休み明けは苦にならないタイプ、と言いたいところですが、競走成績を見るかぎり、休み明けだと少しパフォーマンスを下げている印象があります。ただ、1週前追い切りの動きはこれまでにないくらい、機敏に動けています。ここが「動かされている」のと「動けている」のでは大違い。これは調教VTRの動きを見れば一目瞭然です。気になるのは現時点で雨予報となっている天気だけでしょう。

エアウィンザー

休み明けは苦にならないタイプのエアウィンザー


【金鯱賞/ダノンプレミアム】

 ここまで紆余曲折ありましたが、1週前追い切りの段階まではここで「危険な人気馬」になる可能性が高いと思っていました。これはあくまで個人的な主観ですが、3歳時のようなスピードとパワーで押し切るような迫力が不足しているように思ったからこそ、危険だと解釈したわけです。

 ただ、最終追い切りの動きを見ると、判断に迷わされます。単走で川田将雅騎手が跨っていましたが、前半はかなりゆっくりとしたペース。これにきっちり対応して、静かに走ることができたのです。これが元気がないからとか、体的に動けないとかではなく、走る気持ちをしっかりと保ちながら、道中を走っているという感じ。そして、道中で脚がたまっていたことが確信できたのは、最後の直線の弾け方でした。

 仕掛けられてからの反応は素晴らしいの一言で、時計は6F87.1〜5F70.1〜4F54.2〜3F38.6〜1F11.3秒。時計は遅いかも知れませんが、この距離を走るなら、この調整は絶対に合うと思います。あとは道中のペースや週末の馬場状態。これによって、どんな印を打つことが適当なのか、じっくり考えたいと思います。

ダノンプレミアム

仕掛けられてからの反応は素晴らしかったダノンプレミアム


【フィリーズレビュー/アウィルアウェイ】

 京王杯2歳S以来というレース間隔はともかく、追い切りでの動きは当時よりもスピードが増している印象を受けます。それは1週前追い切りの坂路4F52.2秒、2F24.8秒で感じていたことですが、最終追い切りを見て、よりその印象は強くなりました。

 時計の出やすい坂路馬場でしたが、この馬が追い切ったのは馬場が荒れた時間帯。それでいて、4F51.0秒、2F24.5秒、1F12.3秒は素晴らしいの一言に尽きます。前半少し行きたがるようなところがあった分、4F目最速ラップが踏めなかったのかも知れませんが、それでも最後まで余裕のある脚色ですから、パワーに関しても2歳時よりもアップしていると思います。4F時計は自己ベスト更新、久しぶりだからと軽視することはできません。

アウィルアウェイ

アウィルアウェイを久しぶりだからと軽視することはできない


【フィリーズレビュー/レッドアネモス】

 2歳時は素晴らしいくらい追い切りで動く馬でしたが、3歳になってからは少し地味。先週のCWでは、この馬らしさが出る、スピードある動きでしたが、最終追い切りでの併せ馬では、やっぱり以前ほど動かなくなっているのかなという印象で終わってしまいました。

 CWでバックドアルートを追走する併せ馬でしたが、2歳時なら追いつくどころか、最後は相手を突き放すくらいに大差先着するようなタイプでした。それが追いついてから追い出してもさほど伸びず、ゴールでは逆に相手の脚色の方がよく見えるくらいでした。あの頃の動きが脳裏に焼き付いていると、この動きを見たらどうしても評価を下げたくなってしまいます。

レッドアネモス

以前ほど動かなくなっているように見えるレッドアネモス


◆次走要注意

・3/3 3歳未勝利【プロム】(6人気7着)

 休み明けで追い切り本数が少ないにも関わらず、馬体重は-2キロ。芝戻りは絶対合うと思っていましたが、この調教内容では最後は伸び切れないと予想しましたがその通りの結果に。次走への優先出走権がないだけに、次も芝を使う保証はありませんが、一度使った上積みで今度は中身が出来ていると思います。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追いラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・東風S【カツジ】
 1週前追い切りはCWで速い6F時計でしたが、今朝6日の最終追い切りは終い重点。とはいっても6F82.6秒は十分速い時計です。にもかかわらず、ラスト1Fは11.3秒。矢のように伸びるとはこのこと、くらいの鋭い走りですから、ここはもう結果が欲しいところ。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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