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世界にはまだまだ有るぞこんな馬券、あんな馬券

  • 2019年03月09日(土) 12時00分

今の賭け式だけで皆さんは満足していますか?


 先々週、たった1票の的中で史上最高の4億7180万円を超える払い戻しが飛び出したと思ったら、先週は的中なしで4億6500万円あまりがキャリーオーバーとなったWIN5。ゴルフで言えば空前の“大波賞”ってことですよね?

 まぁそれにしても、100円がこんな大きな金額に“化ける”馬券が発売されるなんて、平成が始まった頃には夢にも思いませんでした。

 今から30年前の平成元(1989)年、JRAで発売されていたのは単勝、複勝と枠連(当時の通称は連複)だけ。それが、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単と徐々にバラエティを増やし、平成23(2011)年4月からWIN5が発売されるようになりました。

 馬券の種類に関しては、これで一応出尽くしているように思えます。でもみなさん、今の賭け式だけで満足していますか?

 地方で売っているトリプル馬単があったら買いたい、とか、枠単も売ってほしい、とか、いろいろご意見ご要望があるはず。もっと当たりやすい馬券を、という方がいれば、その反対にもっと当たりにくい馬券を、という方もいらっしゃるでしょう。

 もっと当たりやすい馬券をお望みなら、フランスにある2sur4(ドゥ・スール・カトル)はいかがですか?これは“ワイドのワイド”のようなもの。2頭を選び、その2頭がともに4着以内に入れば的中となります。そう聞いただけで、なんとなく当てやすそうな気がしませんか?

 同着さえなければ、当たる買い目の数は6通り。その分、払戻額は少なくなるでしょう。8頭立てのレースでこれを発売したら、半分の買い目が当たっちゃうわけですからね。

 でも、1〜3着が1〜3番人気馬だけで決まるレースはそんなに多くありません。まして、1〜4着が1〜4番人気の4頭で占められてしまうレースというのも、そうしょっちゅう見られるわけではないはずです。当てやすく、思わぬ“好配当”に恵まれる可能性を秘めた2sur4、日本で導入されたら買ってみたいという方はいらっしゃいますか?

 一方、当てにくい、つまりWIN5よりももっと買い目が多くなる馬券を、というのなら、いくらでも考えられます。指定されたレースがすべて16頭立ての場合、買い目の総数はWIN5=5重勝単式が104万8576通り、トリプル馬単が1382万4000通りですが、香港にあるトリプルトリオ=3重勝3連勝複式になると1億7561万6000通りに!!!だから、キャリーオーバー続出。日本でこれを導入したら、10円単位の発売にしても、かなりの売上げが期待できそうな気がします。

 ここまで当てにくい馬券になると、ギャンブル依存症対策の強化には逆行しちゃうかもしれませんね。でも、この馬券の発売に賛成される方はどのくらいいらっしゃるでしょうか? 

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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