馬場状態により波乱含みになる牝馬のハンデ戦/中山牝馬S
もともとは日本に馴染みのある牝系
春先の牝馬の体調はちょっと怪しいこともある。まして負担重量がかなりの比重を占める牝馬のハンデ戦。重馬場だったりすると、さらに波乱含みになるが(近年では12年が重馬場で(8,7,11)番人気の決着)、今週は、日曜はともかく土曜は良馬場に恵まれそうな予報。スピード能力優先だろう。
4歳ミッキーチャーム(父ディープインパクト)の55キロはレースキャリア、実績を考えると、歴戦の古馬に比べ有利ではないが、GI秋華賞2着はアーモンドアイとわずか0秒2差なので仕方がないハンデか。秋華賞の直線中ほど、まだ先頭の1800m通過は1分46秒6だった。
2走前の藻岩山特別1800mの1分46秒5は、前半1000m通過58秒6で飛ばしての好時計。その前週のクイーンS(同じAコース)を3馬身差で独走したディアドラ(父ハービンジャー)の勝ち時計とわずか0秒3差だった。今回対戦するフロンテアクイーン(クイーンSでディアドラの2着)は1分46秒7。
母リップルスメイド(GB)は、種牡馬ハービンジャー(GB)と同じくダンシリ産駒の輸入牝馬。最近の日本で知られる近親馬はいないが、85年の中山牝馬Sを勝ったシャダイコスモス、1986年の皐月賞馬ダイナコスモスなどと同じファミリー出身になり、もともとは日本に馴染みのある牝系。
昨年の勝ち馬カワキタエンカ(父ディープインパクト)、エリザベス女王杯2着のクロコスミア(父ステイゴールド)など同型馬はいても、こういう場合、案外若いミッキーチャーム向きのペースになることがある(古馬の方が自在性で勝る)。また、バラける展開なら2番手でも能力は発揮できるだろう。一定ペース型に近く、高速上がりは歓迎ではないが、逆にパタッと止まるタイプではない。
しかし、まだキャリアは浅い。展開が厳しくなるとみれば同じ4歳のノームコア(父ハービンジャー)の、突っ込んでの逆転がある。前走の愛知杯2着はスタートでつまずき、直線だけの不本意なレースだったが、3走前の中山2000mの紫苑Sは、中位から鋭くスパートして1分58秒0。自身の上がりは「33秒6-11秒2」の圧勝だった。1800mもOK。
ノームコアは、桜花賞候補の3歳牝馬クロノジェネシス(父バゴ)の半姉であると同時に、16年の中山牝馬Sを0秒2差(5着)に惜敗したハピネスダンサー(父メイショウサムソン)の半妹でもある。