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フルゲートのスプリングS オッズの妙味も考慮したい一戦

  • 2019年03月15日(金) 18時00分

距離をこなせるかどうかは正直五分五分


 重賞2勝、朝日杯FSでも4着だったファンタジストがここでも上位人気に推されそう。問題はもちろん距離だ。

 母の父がディープインパクトだし父ロードカナロアというだけで短距離馬と断定はできないのだが、母は短距離馬だったし、距離をこなせるかどうかは正直五分五分というところ。距離延長で負けた次走にさらに距離延長で人気……となると個人的には敬遠したいが、自身のベスト条件でなくとも能力の絶対値で馬券圏内に来てしまう可能性はある。ヒモに回すのが無難か……。

 クリノガウディーはデビュー戦が1800mでしかも勝っているし、1800mへの延長は問題なさそう。前走が人気薄での好走なので信じるかどうかは難しいが、ファンタジストと人気の差がつくならこちらを優先したいように思う。

 ロジャーバローズは2000mを3回使ってからのここ。500万条件の2戦はともに好位からの競馬だったが、1800mで同じような位置を取れるかどうかがポイント。また速い時計の決着に対応できるかも未知数なので、馬場状態にも注目したい。

 ヒシイグアスは逃げて2連勝。この馬も時計への対応力がまだ分からないが、今回は強引にハナを叩いてくる馬も見当たらない。自分のペースに持ち込めばチャンスはありそうだ。

 シークレットランの京成杯は残り800mからいきなり速くなる競馬に対応できなかった印象。それでも4着までは来ているのでまだ見限れない。前半戦から平均ペースで持続力勝負の形ならば、それを苦にする馬がいるぶん好走できると見る。

 ディキシーナイトは1400mも2000mも勝っていて適性がつかみづらい。ただ1800mでは、上がり勝負になったほうがこなせそうだ。そうなるとスタミナの絶対値を問われにくくなるので、ファンタジストが好走するときにこの馬あたりとセットになっているイメージが湧く。

 タガノディアマンテもスパート距離が短い競馬のほうがこなせそう。いろいろな位置から競馬している自在性があるのでその点は魅力。ただ今回はフルゲートなので、捌ける・捌けないのリスクはありそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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