大きな期待を受けながらなぜか勝ちきれない強い1勝馬/日経賞
父の最終世代産駒、もしかすると…
どの時代にも強い1勝馬や、印象的な1勝馬がいる。1993年の菊花賞に挑戦して4番人気(7着)だったロイスアンドロイス(父トニービン)は、そのときまで重賞2着、3着はあったのに12戦【1-8-3-0】だった。その後に条件戦は2勝したものの、重賞は通算【0-1-4-8】にとどまった。
2005年のディープインパクトの3冠を「2,3,4」着だったシックスセンス(父サンデーサイレンス)は、引退レースとなった06年の京都記念をハナ差で勝つまで、香港ヴァーズ2着を含め13戦【1-5-2-5】だった。
古くは、1990年のマイルCSを10番人気で勝った牝馬パッシングショットの母タカヨシピット(1972年生まれ。父ネヴァービート)は、ローカル戦を中心に再三再四の連闘を繰り返したが、とうとう1勝馬。31戦【1-14-7-9】だった。
菊花賞を2番人気でハナ差2着のエタリオウ(父ステイゴールド)は、ここまで【1-6-0-2】。さすがにもう1勝馬は脱出したい。55キロの別定重量は有利、勝ち味には遅いが、ここまで2カ月以上間隔があいても2着、2着。ポン駆けは利く。死角があるとすれば、あまり器用ではない同馬にとって、初コースの中山で、もっとも脚の使い方が難しいとされる2500mに出走することか。
父ステイゴールドは、自分より高い競走能力を備える産駒を何頭も送り、「ステイゴールド系」を作り出すほど大成功しているが、自身は6歳の春に初重賞の目黒記念を勝つまで、重賞レース【0-7-7-11】。GIでの2着を4回も重ねながら、なぜか勝ちきれなかった。そういう伝えたくない特徴を事実上の最終世代産駒のこのエタリオウに受け継がせている危険はある。
エタリオウに大きく期待しながらも、断然人気の可能性が高いので、馬券の買い方は難しい。同じステイゴールド産駒の上がり馬ルックトゥワイス、有馬記念で0秒7差に突っ込んでいるサクラアンプルール本線に、おとなしく馬連にしておきたい。
西の毎日杯は、入念に乗って立て直してきた伏兵オールイズウェル(父ルーラーシップ)を買いたい。まだそう多くないキングマンボの「3×4」。4代母ルイジアナピットは、前出パッシングショットと同期の重賞2勝馬だった。