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培った経験は必ずや実を結ぶ

  • 2019年03月23日(土) 12時00分

王者の引退で次にスポットライトを浴びるのはどの馬か


「切に願うことは必ず遂ぐるなり」とか、「時をかけて培ったものは消えることはない」という言葉を友とするならば、この高松宮記念は、レッツゴードンキを追いかけるしかない。今回で4年連続の挑戦のかつての桜花賞馬で、2年続けて2着なのだから偉い。

 7歳牝馬のこの馬の戦績を調べてみると、過去31戦のうちたった3勝なのに、2着が8回もあり、その中に高松宮記念が2回、スプリンターズSが1回含まれている。その他にも阪神ジュベナイルF2着やJBCレディスクラシック2着があり、毎年必ずビッグレースで連対を果たしてきた。

 ここまでくると、7歳馬の優勝は大変だと言っても、7歳8歳で勝ったキンシャサノキセキの例もあることだし、無理せず走れるスプリントGIのタイトルを手にするのではないか。手のかからない、ハートの強いレッツゴードンキ。この3年では一番ゆったりしたローテーションできている。

 それともうひとつ、スプリントGIと言えばロードカナロア産駒にも目が向く。ロードカナロアは2017年に初年度産駒がデビューし、いきなり最初の世代から牝馬三冠馬アーモンドアイを出した。この高松宮記念のダノンスマッシュがこれに続くかどうか。1200米がベストと言えるし、京阪杯、シルクロードSと重賞を連勝してここに出てくるのは、父ロードカナロアの現役時と同じ。

 父は4歳のこのときは1番枠からスタートよく4番手につけ、そのままスムーズに内を走って3着だった。初のGI戦で力及ばずだったが、その後力をつけ世界のスプリント王にまで上りつめたのだから、ダノンスマッシュには今後を含めて期待は大きい。

 もう一頭、去年10番人気で3着になったナックビーナス。2年前は落鉄があって8着だったが、去年は無理せず我慢させて6番手に構え、内から末を伸ばしていた。この6歳馬のいいところは、最後まであきらめずに走る精神力、少し力の要る馬場なので好走する楽しみがある。

 王者ファインニードル引退後のスプリント界、時をかけて培ったものに栄光あれと祈るばかりだ。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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