スマートフォン版へ

【無料】大阪杯直行組の状態は!?有力馬の追い切りをチェック!!

  • 2019年03月27日(水) 18時00分

堂々した雰囲気を見せるキセキ


 先週の高松宮記念。予想を参考にしてくださった方には申し訳ない結果となってしまいましたが、坂路調教を重視して、馬券圏内には1頭も絡んでいません。調教適性という意味では仕方ない結果だと割り切っていますし、たとえ坂路調教を重視していなくても3着馬に印を打てたかどうかは自信がありません(笑)。

 さて、今週は大阪杯。フルゲートを割ってしまいましたが、それでも難しそうなメンバー構成。netkeiba.comの予想オッズでは上位3番人気までが、今年最初のレースとなる「ぶっつけ」組。これにはかなり驚きましたが、ぶっつけ組の能力の高さが魅力なのでしょうか。

 これまで週中の段階では当コラムを筆頭に、栗東所属馬、特に有力馬しか取り上げることができなかった私の調教予想。しかし、今週からG1の出走馬すべての調教解説を行う『重賞捜査網』がスタート。調教動画を見ていただきながら、私の解説が入るという内容になっていますので、ぜひご利用ください。

【ダービー卿CT/ギベオン】

 netkeiba.comの予想オッズでは1番人気の支持。NHKマイルCでの2着が、それ以来のマイル戦でも人気になる要素なのかも知れません。個人的には決して調子が悪いと思えなかった前走があまり走れていないので、調教からは掴みどころが難しい馬という印象。しかも今回は中2週という、デビュー以来、最も間隔の詰まった状態での中山競馬場への前日輸送となります。

 1週前追い切りにはCWで岩田望来騎手が跨って、グレートタイムを追走する内容でしたが、非常に活気があって、それでいて、時計が速くなりすぎることはありませんでした。木曜日に追い切ったにも関わらず、日曜日の3月24日には坂路でも時計を出しました。短期間で意欲的に時計を出しているという見方もできますが、これが良いも悪いも今回が初めてのパターン。ここに57.5キロというトップハンデの状況を考えれば、調教内容として評価できても、馬券的に評価するかどうかはまた別問題となってきそうです。

 ちなみに最終追い切りは初騎乗となる蛯名正義騎手が駆け付け、芝馬場で単走の追い切切りを行っています。

ギベオン

ギベオンの調教内容は評価出来るが…


【大阪杯/キセキ】

 2月28日に吉澤ステーブルWESTから栗東へ帰厩。それから週に3日以上は坂路でのキャンターを行っていますが、そのすべてにおいて、1F15秒を切らないラップがなかったことはありません。つまり15-15よりも少し速い内容ばかりということですが、これは行きたがっているのではなく、現状のパワーだとこの時計が出てしまうといった感じ。3月26日の坂路でもキャンターを確認させてもらいましたが、スタートの雰囲気がものすごくいいんですよね。

 それが1週前追い切りでも実行されています。簡単な言葉を使えば、乗り手の意のままにスピードとパワーをコントロールできつつあるといった状況。3月22日には調教に跨っている清山宏明調教助手とお話しする機会があり、自分の思っていた感触を確信することもできました。

 そういったことを踏まえた上での最終追い切り。角馬場へと入っていく様子を見ていると「レースの主導権を握る」存在になることをイメージさせてくれる堂々した雰囲気。CWでの追い切りもいつも通り、馬が少なくなった頃を見計らっていましたが、今朝はたまたま馬場入り時にキャンターをする馬がいました。そこでどんな仕草を見せるか気にしていましたが、多少は動きがありましたが、スムーズさを欠くようなことはありません。

 その証拠にキャンターに移ってからの走りは、先週以上に力みが抜けています。その分、時計は6F88.5〜5F68.6〜4F53.3〜3F39.3〜1F12.0秒と遅くなりましたが、これがこの馬にとっては評価すべき点。今日は最後の1Fからゴールを過ぎたところでしっかり追われていましたが、その時の伸びは文句ありません。

キセキ

文句なしの伸びを見せたキセキ


【大阪杯/ワグネリアン】

 神戸新聞杯以来になりますが、2月8日にノーザンF天栄から栗東へ帰厩して、慌てず騒がずでここまでじっくりと仕上げてきました。これだけの長期間の調整になると、どこかで追い切りを緩めたり、休んだりする時期があっても不思議ではありませんが、そういったことがなかったという意味では非常に順調だったと思います。

 この中間は芝馬場で2回追い切っていますが、マカヒキとの併せ馬の段階ではレースまで1ヶ月ほどの間隔があったので、脚慣らしという感じ。特に良い悪いの評価までする必要はなかったと思いますが、さすがに1週前追い切りは時計も速くなりました。そうすると反応がやや鈍い印象もありましたが、それは当然のことでしょう。

 よって、最終追い切りがどんな内容になるか注目していました。坂路で単走でしたが、テンをゆっくり入って、終い伸ばす内容。これはこれまでの好走パターンと同じですが、追い出されてからフィニッシュするまでの動きとしては、やっぱり久しぶりの印象は抜けません。もともと暖かくなった方が調子が上がるタイプという個人的な認識も合わせると、ここでの評価に悩んでしまいます。

ワグネリアン

ここでの評価に悩むワグネリアン(3月26日撮影)


【大阪杯/ペルシアンナイト】

 昨年の2着馬。昨年は中山記念5着から中4週での出走でしたが、今年は金鯱賞からのローテーション。レース間隔が詰まるということで、今年は昨年と全く違う調整過程になりました。昨年は2週前、1週前とCWで追い切られていますが、今回は1週前追い切りを坂路で15-15程度。実質的に追い切りを開始したのは24日の日曜日の坂路4F55.1秒といってよいでしょう。

 過去に中2週での国内出走はなく、この調教内容が良いのか悪いのかは判断が難しいところ。池江泰寿厩舎という意味では、このパターンがごく普通といってよいでしょう。それだけに最終追い切りはてっきり、CWで3コーナーから入場する4F追いをイメージしていました。

 ところが正面から入って、6Fの追い切り。その動き自体は前走時と変わらず、鋭く見えました。ただ、大阪杯2着、マイルCS2着のG1好走パターンとしては、4F追いなので、ここをどう評価するかでしょう。

ペルシアンナイト

動き自体は前走時と変わらず、鋭く見えたペルシアンナイト


【大阪杯/エアウィンザー】

 前走で連勝がストップ。デビュー以来、初めての510キロ台でのレースでしたから、休み明けで重めが残っていたという見方でほぼ間違いないと思います。ひと叩きしたことによって、素軽さが出ているのは間違いないと思いますし、1週前の坂路での動きも軽快でした。

 問題は最終追い切り。浜中俊騎手が跨って、CWでの3頭併せでしたが、最後の直線は最内。真ん中にいたのはサートゥルナーリアでしたが、こちらは前に出すぎないように引っ張るのが精一杯といった感じ。これにはなかなか追いつけないという状況で、これを相手が凄すぎると見るべきか、こちらがまだ動き途上と見るべきか。時計が遅かったことを思うと、後者に近い判断をしたくなってしまいます。

エアウィンザー

動き途上にも見えたエアウィンザー


◆次走要注意

・3/24 3歳未勝利【ノーチラス】(2人気6着)

 人気に応えることはできませんでしたが、結果的に既走馬相手ならこの結果も仕方ないかなといったところ。ハナに行こうと思えば、行くスピードもあったようですし、次はまた違ったレースぶりを見せてくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート]最終追いラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【フランクリン】
 喉の手術を終えて、栗東へ戻ってきました。CWでの3頭併せは最後方から前を追いかける、かなりきつい内容でしたが、それを最後は追いついて併入かちょっと先着というところに持ち込みます。6F79.4秒は非常に優秀、復帰戦は来週の阪神芝1800mです。

フランクリン

非常に優秀な動きを見せるフランクリン(写真奥)



【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング