4歳世代が人気を集めるのなら実力のある6歳以上馬を狙う/ダービー卿CT
キャリアを積むごとに成長が見える
マイルのスピード重賞だけに、明らかに若い「4-5歳馬」の好走例が多く、「6歳以上馬」の成績はかなり見劣る。
今年の組み合わせは4-5歳馬「8頭」に対し、6歳以上馬が「8頭」。若いグループから主軸を選ぶのが賢明だが、先週の高松宮記念がそうだったように、レベルが高いとされる4歳馬が例年より大きな支持を受け、そう差のない6歳以上馬が実力はあっても人気薄になるケースが珍しくない。あえて、評価の下がりがちな6歳以上馬をうまく絡める馬券作戦があるだろう。
いま本物になった6歳牡馬ドーヴァー(父アドマイヤムーン)を評価したい。全6勝のうち、4勝をこの中山1600mで記録するドーヴァーは、
▽中山1勝目(2歳時)…1分34秒1
▽中山2勝目(3歳時)…1分33秒5
▽中山3勝目(4歳時)…1分33秒4
▽中山4勝目(6歳時)…1分32秒4
クラスが上がるごとに、またキャリアを積むごとにレース内容を高めてきたタフな成長力が真価。6歳になった今年1月のニューイヤーS(中山1600m)は、1600万下からの格上がり初戦なのに、ここまでの最高タイムをさらに短縮する完勝だった。
レース全体の流れは「44秒9-47秒5」=1分32秒4。前半1000m通過「56秒2」の超ハイペースで、差し切りを決めたドーヴァーに展開は味方したが、中位からまくり気味に進出し、残り1ハロンで先団に追いつくと、あっというまに3馬身も抜け出している(3馬身差2着は今回も対戦するキャプテンペリー)。
差しタイプなのであまり枠順の有利不利はないが、多頭数の中山1600mで内枠4番ならコースロスはまったくない。理想の好枠に恵まれた。
父アドマイヤムーン(その父エンドスウィープ)は、キャリアを積むごとにパワーアップし、古馬になってドバイデューティフリー(今晩、期待大のアーモンドアイなどが出走するドバイターフの前身)、宝塚記念、ジャパンCを制している。
母の父イルーシヴクオリティ(その父ゴーンウェスト)は、産駒がセレクトセールになると毎年きまって超高額で取引される輸入牝馬イルーシヴウェーヴの父方祖父。同馬は、競走時には5歳秋のハリウッドパークのマイルを快レコード1分31秒63での6馬身差独走があるから、早熟のスピード系ではない。
ジャックルマロワ賞など英仏のGレース6勝の5代母リアンガの代表する牝系には、日本に輸入された種牡馬ダンサーズイメージ、フォルティノ、エタンなどが並び、もともと日本のスピードレース向きの下地がある。