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「オレだってプロになれた! 公認プロ予想家が語る“プロ”としての重み」<第31回>『俺プロ』公認プロ予想家(前編)

  • 2019年04月02日(火) 18時00分
俺プロ

競馬ファンが集う銀座のバーで行われた『俺プロ』懇親会には、9人の公認プロが参集した。


俺プロ出身の『netkeiba公認プロ予想家』をご存知だろうか? netkeiba人気コンテンツ「俺プロ」で予想を当てて、段位を上げていくことで「netkeiba」でプロ予想家デビューできるという企画だ。認定されれば、netkeibaの「ウマい馬券」で、「血統ビーム」の亀谷敬正氏や「調教Gメン」でお馴染み井内利彰氏などと肩を並べて予想を公開できるというワケだ。数多くいる「俺プロ」から勝ち抜いてきた面々は、当然のように強者揃い。今回はそんな、公認プロたちが集う『公認プロ懇親会』に潜入。それぞれの競馬に対する想い、そして公認プロとしての想いを聞いてきた。(取材・文=緒方きしん)


 3月某日、銀座。

 集合場所であるバーの扉を、一人また一人と開ける。すぐに、年齢も住む場所もまったく異なる9人が勢揃いした。共通するのは「馬券の予想がウマいこと」。どのメンバーも互いに初対面。盛り上がるものなのか…? と思っていたところ、乾杯の前から競馬談義が花開く。

 自己紹介のように飛び交う、今週のレース回顧の数々。大の競馬好きが顔を合わせれば、いろいろな垣根を超えてすぐに打ち解けられるものなのだろう。

“公認プロ”という存在を競馬ファンに認めてもらいたい!



 一人ひとりに話を聞いて回るなかで、まず真っ先に対応してくれたのが芹沢瞭さん。懇親会でもさまざまな人に声をかけていた気遣いの人は「公認プロになって、競馬がもっと楽しくなりました」と語る。公認プロをしていて一番うれしいことといえば、予想購入者の方々から送られてくる的中報告だという。

「昨年のエリザベス女王杯なんか、まさにそんなレースでした。3連単563.7倍を的中させたのですが、本当に多くの方々からご連絡をいただけて。『おかげで今日は美味しいもの食べます!』なんて言われちゃうともう、1日ずっとニヤニヤしてしまいますね」

俺プロ

芹沢プロが会心の的中と話す昨年のエリザベス女王杯。



 もともと予想に自信があった芹沢さんは、俺プロが始まったときにすぐさま登録した。

「『俺、強いでしょ?』ということを認めて欲しいという気持ちもありました(笑)」

公認プロになった今の目標は「“公認プロ”という存在そのものを、競馬ファンのあいだで認めてもらうこと」へと変化した。netkeibaの枠を飛び出し、Twitterなどでもファンとの交流をしている彼は、まさに公認プロの兄貴分といったところだ。

俺プロ

『俺プロ』のなかでも、兄貴分的な存在の芹沢瞭プロ。



レースは仮説ロジックの検証です!



 予想のなかで一番重視していることは「主観の排除」というgate009さん。競馬との出会い自体はTTG時代からだというが、本格的に馬券予想を始めたのは2年ほど前。「投資としての競馬は利益を生み出せるか?」という疑問に向き合おうと決心してからになる。

 投資というだけに、gate009さんの予想はいわゆる『データ派』。その予想の中核を担うのは、自身で作成したツールだ。

「俺プロ参加直後は、別に大した成績ではなかったんです。その後もしばらくはそのままといった感じでした。そこで、データの分析も兼ねて自作のツールを導入したところ、結果が激変してデビューに至りました」

 驚くべきは、その執念。なんと、ツールを作成するために、VBA(Office用プログラム言語)をゼロから学んだという。そうして作られた馬柱作成ツール・データ収集ツールは今もなお、レース結果の分析を経て、新たなる仮説ロジックを取り込み続けている。

「毎週のレースは、そうした仮設ロジックの検証なんです」

 長く豊富な競馬歴を頼らず、データとツールによる客観的な予想は、まだまだ進化を続けそうだ。


『競馬運』では、誰にも負けない!



 競馬のために「学び」を取り入れてきたのはgate009さんだけではない。リヴェールさんは、自身が予想家・一口馬主としての壁にぶつかったと感じたとき、北の大地へと飛んだ。1年間大牧場で働き、馬体を見る目を養うためである。

「僕は“競馬運”では誰にも負けないと思うんです。名前にもなっていますが、初めての一口出資でレッドリヴェールを選ぶことができました。俺プロが始まったときにも、きっと自分は公認プロにはなれるだろうと思っていたんです。普段の生活での運はごくごく普通ですが…競馬だけは、自信があったんです(笑)」

 その自信こそが、彼を「競馬留学」させる後押しとなったのだろう。事実、それ以降、馬券は好調になったという。レースが終われば、公認プロでなくとも俺プロに参加している他のユーザーの結果はチェックするというリヴェールさん。注目しているユーザーの名前や特徴もすらすらと出てくる。

「『1位をとりたい、負けたくない!』という気持ちはあります。自分のすごさを、知らしめたいですから(笑)」

 そんな貪欲さも、彼の原動力のひとつだ。

『思いつきの予想』は、ありません!



 一口馬主として活躍している公認プロは他にもいる。フラワーCでコントラチェックの口取りをしてから懇親会に来たという仲真司さんも、その一人だ。2017年デビュー組は出資を1頭(3口)に絞ったが、そこで選んだのはなんと3冠牝馬のアーモンドアイ。

「アーモンドアイは、現地まで馬体を見に行って出資を決めました」という仲さんは、自身の『見る目』を信頼する。馬券予想においても多くの時間を『馬を見ること』に費やすそうだ。

「各レース、出走馬全頭の動画を見てから判断しています。前走だけでは足りないですから、基本的に近4〜5走は確認するようにしていますよ」

 そんな労力を惜しまない仲さんが、何度も口にしたのは「お金で予想を買ってもらうことへの責任」だ。自分一人で馬券を買っていた頃にはたまに『思いつきでの予想』をしていたが、今はなくなったそうだ。

「予想は、ウマい馬券で公開しているレース以外もします。そのなかで厳選した、自信がある予想のみを公開するようにしているんです。そんな選りすぐりの予想をぜひ見ていただきたいです!」

俺プロ

一口馬主でも馬体を見てアーモンドアイを引き当てたように、馬券でも“馬を見る”ことに主眼を置くという仲真司プロ。



 こうしたアツい話を聞いているうちに気づかされたのは、彼らが夢中になっているのは公認プロならではの面白さだということ。ただ予想を多く買って欲しいだけでなく、購入者の満足感や自身の責任感・充実感を大切にしているのが印象的だった。後編では、さらに5人の公認プロに話を聞いていくことにしよう。





【店舗情報】
cafe&barムーティエ
〒104-0061
東京都中央区銀座2-5-5-B1F
Tel:03-6263-2597

4月1日より、ムーティエは一口馬主向けの会員制コミュニティ、『サロン・ド・ムーティエ』をDMMオンラインにてスタート。馬関連のコンテンツが盛り沢山、月額500円から利用可能となっている。全国の馬好きとネット上で交流し、気の合う仲間たちと一緒に競馬をさらに楽しもう。詳しくは『うまぬし未来塾』で検索。

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