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フランス牝系の「伸び」が要求される桜花賞

  • 2019年04月05日(金) 19時00分

攻略のカギは「育成牧場」と「牝系」


 亀谷ホームページにて無料公開している「スマート出馬表」では、全競走馬の血統タイプを日本型、米国型、欧州型に分類しています。

 当然、日本の芝の主流レースは日本の主流血統(日本型)であるサンデーサイレンス系が圧倒的に走ります。

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 特に直線が長い1600mは「父日本型」の独壇場になることが日常的な光景。過去5年の桜花賞も馬券になった馬の60%以上(10頭)は父が日本型のサンデーサイレンス系。

 父サンデー系以外で連対したのは、2頭のみ。いずれも父は欧州型ミスプロ系のキングマンボ系。同系統は、日本の芝適性も高いことに加え「母父の適性を引き出しやすい」特徴も。そして連対した2頭はいずれも母父が「日本型」のサンデー系。ほぼ日本型の血統ともいえます。

 3着馬に広げても、サンデー系以外で馬券になった3頭のうち2頭は父が欧州型ミスプロ系。いずれも母にサンデー系を持つ馬で母父は日本のマイル以上の芝G1勝ち馬。

 サンデーの血も持たず、父も欧州型ミスプロ系ながら唯一3着に走ったのがソウルスターリング。同馬は父がフランケル。2頭の日本の芝G1勝ち馬を出した種牡馬。母はフランスの名牝。

 このように桜花賞は、サンデー系か欧州型ミスプロ×サンデー系の配合馬が絶対条件なのですが、出走馬のほとんどがこの血統パターンに該当してしまうのも現実。

 該当馬の中からさらに、一歩抜きん出るポイントは「育成牧場」と「牝系」になります。

 昨年の桜花賞はノーザンファーム生産馬が1-3着を独占。主流血統を主流条件で走らせるための育成ノウハウ、さらに牝系の質、適性が桜花賞では抜きん出ていました。

 過去5年の3着以内数も昨年の独占によってノーザンF生産馬が3着内数は最も多いのですが、馬券的に注目は社台ファーム生産馬。

 過去5年でも、6頭が馬券に。昨年以外の4年は社台ファーム生産馬が必ず3着。複勝率は38%。複勝回収率は146%とプラス収支。

 社台Fが当レースに相性が良いのは育成方針が合うことに加えて「フランス牝系」が多いことも考えられます。

 欧州型血統もイギリス系のタフなタイプとフランス系の「末の伸び」が強化されたタイプに分類できますが、桜花賞は「フランス牝系」の「伸び」を強化された配合馬が走りやすいレース。

 2016年の当レースを勝ったジュエラーは社台F生産馬。父が日本型。母はフランスの重賞勝ち馬。15年に8人気3着のコンテッサトゥーレも母父はフランスのG1凱旋門賞勝ち馬のトニービン。祖母スキーパラダイスはフランスのG1勝ち馬。

 今年の出走予定馬ではシェーングランツは社台F生産馬。母スタセリタはフランス生産馬でフランスG1勝ち馬。姉のソウルスターリングも同コースG1勝ち馬。

 アクラミラビリスの姉のクイーンズリングは父が400mで割れない非根幹距離が得意なマンハッタンカフェ。非根幹距離G1のエリザベス女王杯を勝ち有馬記念も2着に走ったものの、根幹距離重賞は未勝利。父が桜花賞勝ち馬も出したヴィクトワールピサに変わるのは、このレースに関しては強調材料。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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