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「オレだってプロになれた! 公認プロ予想家が語る“プロ”としての重み」<第31回>『俺プロ』公認プロ予想家(後編)

  • 2019年04月17日(水) 18時00分
俺プロ

今回の『俺プロ』懇親会では、集った9人がそれぞれ“公認プロ”への熱い想いと責任感を吐露してくれた。


9人のnetkeiba公認プロ予想家を招いた『公認プロ懇親会』への潜入企画の後編。前編では4人の公認プロに話を聞いてきたが、今回はさらに5人に「馬券についての考え方」、「公認プロとしてのやりがい」を聞いていく。(取材・文=緒方きしん)

いつかはオッズに影響を与えるような予想家になりたい!



 名牝ブエナビスタの中国名を自らにつけた「迷人景致」さんは、その名の通り、ブエナビスタらが活躍した2008年頃から競馬を始めたという。競馬を始めて約10年。そこから年間回収率が100%に届かなかったのはたったの一度だけ、という安定ぶりだ。

「自分の予想には自信がありましたけど、実際どんなレベルなのか気になって『俺プロ』に登録しました。ブログとかをやるのでも良かったんですが、毎週だと面倒になりそうで(笑)。『俺プロ』は入力が簡単ですし、回収率計算も勝手にやってくれるので、これなら続けられるかな、と。気がつけば順位があがっていて、公認プロのお誘いをいただきました」

 そんな彼の予想の中心は「仮想レース」。出走馬の想定が出てからはずっと、脳内でレースを展開しながら生活をしているそうだ。通勤中や仕事の合間、食事中など、仮想レースは何度も開催される。

「さまざまな想定で、繰り返しレースをします。ポイントはポジションやタイム。こういう枠順だといいな、騎手はこう考えるかな、こいつが出遅れるとこうなるな…そんな事を日夜考え続けていますね」

 迷人景致さんの目標は、オッズに影響を与えるような、多くの人に信頼される予想家になること。ファンからの信頼を得るために、これからも仮想レースに全力で取り組んでいく。

俺プロ

最近で一番のHITともいえるドバイワールドC。わずか3点で26万超えの配当はお見事の一言に尽きる。



僕の予想で、競馬をもっと好きになってもらいたい!



 ひとつのことにハマると、とことん突き詰めるタイプだという速風駿さん。2008年天皇賞(秋)を見て競馬の虜になった速風さんは、その年末には東京から栗東まで赴き、調教見学をしたほどの凝り性だ。

「今、競馬以外の趣味はありません。特技も趣味も、競馬です。それ以外は平凡で、とくに披露できるものはありませんね(笑)」

 一週間で競馬に使う時間は、40時間を超える。回収率にとことんこだわるその姿勢は、まさにプロフェッショナルだ。

 速風さんは、競馬の仕事を目指して転職活動をした時期もあったという。結局、そのときには縁がなかったが、今回公認プロになったことで夢を実現できたと感じている。

「もちろん、馬券はギャンブルです。でも、ファンの方々には『競馬』そのものを楽しんで欲しいと思っています。僕の予想で馬券を的中しながら、競馬をもっと好きになっていっていただけたら最高です!」

俺プロ

速風さんを競馬の虜にしたという2008年天皇賞(秋)。ウオッカとダイワスカーレットという、名牝同士による手に汗握る名勝負だった。



重視しているのは、馬の「伸びシロ」



 データだけを重視していくならば、いずれは人工知能に敵わなくなる──そう考える豚ファンさんは、まだまだ未完成な若駒の『上昇度』を見る目を磨いてきた。

「伸びシロが大きいのは前走で逃げた馬。気性面で大人になれば、新しい競馬が試せますからね。最初から後方で競馬ができる馬は完成度が高いですから…」

『馬は、苦手なペースを経験して、一段と強くなる』を基本理念とする豚ファンさん。その予想は、考え方さえ理解すれば誰もが実践できるシンプルなものだ。

「予想の考え方を、ファンの方々とどんどん共有していきたいです」

「決して勝ちを独り占めしたいというわけではなく、みんなで競馬を楽しみたいですから」

 豚ファンさんは優しい笑顔で、そう締めくくった。

カリスマよりも、身近な存在を目指したい



 小栗紀明(のり)さんの予想のベースは、月曜日から水曜日にかけて行う先週の復習だ。

「だいたい1日につき、3〜4時間程度使って復習をしています。金曜、土曜は予想だけで6時間ずつかけていますね」

 そうしたレースの「復習」は、レースを見たときに感じた自身の分析・印象だけでは終わらない。競馬サイト、競馬雑誌、競馬ブログ、掲示板…多くの情報を、膨大なWEB上の情報からかき集める。すべては次走での予想につなげるためだ。

 そんな小栗さんは、公認プロになって、競馬のリズムが少し変わったのだという。

「公認プロの予想に夢中で、自分の馬券を買い忘れることがありますね。しかもそういう時に限って、当たるものでして(笑)。でも、意外と悔しくないんですよ。私の予想で的中した人がいるかと思うと、うれしいものです」

 誰も思いつかない超穴馬を狙うというよりは、みんなが共感して参考にしていけるような予想を心がけているという小栗さん。カリスマ的な存在ではなく、身近な存在の予想家としてやっていきたい、という台詞が印象的だった。

重賞では全頭への見解を掲載!



 並み居る俺プロ予想家のなかでも、今回の参加者のなかで最年少だったのがベルグさん。聞けば、まだ年齢は23歳だという。懇親会では賑やかし役だった彼も、プロとしての意気込みを聞かれると、すぐに鋭い目つきになった。

「予想の理由をしっかりと明記する、というのは予想家としての責務だと思います。『どうしてこの人気馬を消すか』、『どうしてあの穴馬を絡めたか』をしっかり説明することで、購入してくださった方々の納得いく予想になりますからね」

 その言葉通り、彼は重賞予想で全頭に対しての見解を記載している。もともと人に見解を話したりするのが好きだったベルグさん。彼の予想には、各馬に対するコメントがひとつひとつ丁寧に書かれており、その誠実さが伝わってくる。

「とはいっても、4つも重賞がある週末なんかは入力するだけでも大変で、さすがに疲れてしまいますけどね(笑)」

 お茶目さの残る若手予想家は、日々成長を続けているようだ。

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予想の丁寧な解説からも、実直な性格が伝わってくるベルグプロ。理由の明記が“プロ”としての責任、と胸を張った。



 今回の潜入取材にあたって、多くの人が「公認プロそのものの認知度をあげていきたい」と語った。「自分が当たらないときは、他の人にも外してほしいと思うのが正直なところでは?」という意地悪な問いかけにも、全員が首を横に振る。

「公認プロという仲間として、一緒に頑張っていきたいと思っています。俺プロを勝ち抜いた仲間だという気持ちもありますから。まずは、『公認プロ』として恥じないような活躍を目指していきたいと思います」
 
 メンバーの入れ替えもある『公認プロ』。厳しくも充実した環境で全力投球を続ける彼らの今後に、注目していきたい。





【店舗情報】
cafe&barムーティエ
〒104-0061
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Tel:03-6263-2597

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