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菊花賞とは異なる血統傾向の天皇賞(春)

  • 2019年04月26日(金) 19時00分

「ベテラン」同士に強い血統が上昇傾向


 今年の天皇賞春は、昨年の菊花賞1,2,3着馬が揃って出走。天皇賞春は菊花賞と走るコースはほぼ一緒。しかし「血統」の傾向は大きく変わります。

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 平成の菊花賞で最も連対馬を多く出したのは、平成の大種牡馬サンデーサイレンス。次いで連対馬を出したのはダンスインザダークの5頭。連対率は46%。単勝回収率768%。複勝率は432%。菊花賞のダンスインザダーク産駒だけ買えば、平成の競馬は凄い回収率で終えることができたわけです(回収率と勝ち逃げだけの観点ですが(笑))。

 しかし、面白いことにダンスインザダーク産駒は、天皇賞春で連対馬を1頭しか出していないのです。

 逆に菊花賞はイマイチも天皇賞春は強い血統も存在します。その代表がハーツクライ。菊花賞は勝ち馬ゼロ。連対馬も1頭。しかし、天皇賞春は5年連続で産駒が3着以内。

 菊花賞と天皇賞春のコースはほぼ同じですが、出走する馬の「質」や「キャリア」は大きく異なります。あたりまえですが、菊花賞は「若駒」しか出れません。そしてほとんどの馬が芝2500m以上は「初体験」。

 ところが、天皇賞春の出走馬はすべて「古馬」芝2500m以上経験豊富な「ベテラン」。つまり、天皇賞春は古馬になって完成する血統。距離経験豊富な馬同士の流れに強い血統が菊花賞より上昇する傾向のレース。

 まず、ベタに注目すべきはチェスナットコート。父は天皇賞に強いハーツクライ。母に米国のスピード血統。近親にはスプリントGIでハナ差2着入線のダッシャーゴーゴー。

 カレンミロティック、シュヴァルグランなど、天皇賞春で結果を出したハーツクライ産駒は母系にアメリカの速い血を持つ馬が多い傾向にありますので、母系に速い血を持つのも当レース向き。

 と、昨年も書いたのですが、5着。レース後の談話は「チェスナットコートは重たい斤量の経験不足」とのこと。たしかに、去年の天皇賞春は56キロ以上で乗るのは2度目かもしれませんが、、、(そこはよくわからないので)。血統的観点からは、去年より軽い馬場でスピードの持続性を活かす競馬をすればもっと走れる牝系ではあります。

 グローリーヴェイズは母父スウェプトオーヴァーボード。同種牡馬はミスプロ系によくある母馬の個性を引き出す種牡馬。リッジマンも母の個性が出て3000m以上を走っていますし、レッドファルクスも母の全姉スティンガーに近い戦歴。

 ということで、母系をたどると、母メジロツボネ、祖母メジロルバート、3代母メジロラモーヌ。

 メジロラモーヌは昭和の三冠牝馬。昭和時代の若駒は、今の若駒よりもスタミナ競馬の経験が豊富でした。馬場自体が今よりも、非常にタフ。加えて長距離レースも多い時代。

 メジロラモーヌ時代の牝馬三冠は3レース中2レースが芝2400m(当時のエリザベス女王杯は2400m)古馬混合。ベテラン同士の「流れ」の変化でパフォーマンスを上昇させる可能性を秘めた牝系。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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