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令和元年、最初のダートグレード競走を制覇するのは?!/第21回かきつばた記念

  • 2019年04月30日(火) 18時00分

実力伯仲の短距離交流重賞


 平成から令和へ。元号が変わる特別なゴールデンウイーク、みなさんどんな過ごし方をしていらっしゃいますか?全国各地の競馬場で好カードのレースが行われるこの期間、休日を利用して現地観戦をする方も多いのではないでしょうか。

 令和元年のスタートとなる5月1日(水)、名古屋競馬場で行われる『第21回かきつばた記念』。記念すべき“令和初”のダートグレード競走を制するのはどの馬か?!例年以上に注目が集まりそうです。

 2017年からハンデ戦となった1400m戦。今年はリピーター不在の12頭立て。絶対王者不在のダート短距離戦線、上位争い可能な新顔がJRA勢・地方勢ともに揃って混戦ムード。まずはJRA勢からご紹介しましょう。

 ウインムートは昨年12月の兵庫ゴールドトロフィーで重賞初制覇。サクセスエナジーとマテラスカイの先行争いが激しくなる中、道中3番手からの競馬。直線で逃げ切り体勢に入ったサクセスエナジーを外から差し切って勝利。昨年のかきつばた記念の勝ち馬でもあるサクセスエナジーが、その後3月の黒船賞でダートグレード競走3勝目を挙げたことを考えると、非常に価値のある1勝だったと言えます。

実力は十分、ウインムート(写真は18年兵庫ゴールドトロフィー優勝時、撮影:稲葉訓也)


 今回はその兵庫ゴールドトロフィー以来となる戦い。休み明けでトップハンデ57.5kgですが、昨年6月の天保山S(阪神・OP・ダート1400m)で58kgを背負いながらも強い勝ち方を見せているのは心強い材料。ドリームバレンチノの全弟で、兄も重賞初制覇はウインムート同様5歳の時(2012年函館スプリントS・芝1200m)。その後ダートでも2014年JBCスプリントを制しJpnIホースに上り詰めました。10歳まで現役を続け多くのダートグレード競走で活躍した兄に続けとばかりに、ウインムートもスプリント界の頂点を目指します。

 テーオーヘリオスも昨年6月の北海道スプリントCを制している重賞ウイナー。その後なかなか好成績を出せずにいますが、昨年3月モーニンの2着だったコーラルS(阪神・OP・1400m)では4着ヤマニンアンプリメ、5着エイシンバランサー(当時JRA所属)と、今回の出走馬に先着しており、展開次第で怖い存在。

巻き返せるか、テーオーヘリオス(写真は19年東京スプリント出走時、撮影:高橋正和)


 続いてJRA勢の牝馬3頭に注目。かきつばた記念は、ゴールドティアラ、ブロードアピール、メイショウバトラー、コーリンベリーといった強い牝馬たちの名前が勝ち馬に並ぶレース。今回も台風の目になりそうな牝馬3頭が出走します。牡馬たちとの斤量差を活かし、上位争いに加わること必至です。

 5歳牝馬・ヤマニンアンプリメは前走・黒船賞で断然人気(1.7倍)のサクセスエナジーを相手にアタマ差2着。水が浮く不良馬場の中、上がり最速の切れ味を見せての追い込みは迫力満点。今回もその末脚が活きる展開になれば浮上可能。今年2月に引退・解散した中村均厩舎から、3月に開業した長谷川浩大厩舎へ移籍。ちなみに長谷川浩大調教師の騎手時代の同期・松岡正海騎手は4月28日、クイーンエリザベス2世Cで香港GIを制したばかり。同期の勢いも味方し、長谷川厩舎初重賞制覇も夢ではありません。

末脚を発揮できるかヤマニンアンプリメ(写真は19年黒船賞出走時、撮影:武田明彦)



 4歳牝馬・ゴールドクイーンは昨年12月のギャラクシーS(阪神・OP・ダート1400m)でオープン勝ち。その時に破った相手・ユラノトは続く1月の根岸Sでコパノキッキングの2着、2月のフェブラリーSでインティの3着という実力馬。成長過程の4歳牝馬がここから覚醒する可能性も十分。ちなみに地方競馬への参戦は初めてですが、名古屋競馬で現在重賞2連勝中(若草賞、東海クイーンC)のゴールドリングが半妹というのは好材料。逃げてどこまで粘れるか、スタートから目が離せない1頭です。

快速・ゴールドクイーンは覚醒する可能性も十分(写真は18年葵S優勝時)


 5歳牝馬・リエノテソーロは2歳時、エーデルワイス賞、全日本2歳優駿を制しているJpnIウイナー。3歳時には芝のGI・NHKマイルCで2着もある実績馬。4歳時には7月のスパーキングレディーCも制し、重賞3勝目を挙げました。直線の短い名古屋競馬場の1400mで持ち前の先行力を活かし、実績馬が力を発揮するかもしれません。

持ち前の先行力を発揮できるかリエノテソーロ(写真は18年スパーキングレディーC優勝時、撮影:高橋正和)


 今回、地方勢にも注目馬が目白押し。

 2014年をタガノジンガロで制した新子雅司厩舎が送り出す、兵庫のエイシンバランサー。昨年8月、佐賀のサマーチャンピオンでダートグレード競走初制覇。その後、笠松グランプリも勝利。前走・黒船賞は地方馬最先着の4着。重賞ウイナーの意地を見せてくれるでしょうか。

ダートグレード競走2勝目を狙うエイシンバランサー(写真は19年黒船賞出走時、撮影:武田明彦)


 高知のサクラレグナムは前々走・黒船賞で5着でしたが、3走前の黒潮スプリンターズカップでは上記のエイシンバランサーを破って1着。昨年12月の兵庫ゴールドトロフィーでは斤量52kgでウインムートの4着に好走。10歳になった今年すでに3勝を挙げ、まだまだ元気いっぱい。今回も52kgで、ひとつでも上の着順を狙います。

今年4勝目を狙う、ベテランのサクラレグナム(写真は19年黒船賞出走時、撮影:武田明彦)


 兵庫のキクノステラは兵庫ゴールドトロフィーで51kgの軽量を活かし、2着サクセスエナジーの3/4馬身差3着。前走・名古屋の東海桜花賞を快勝し、ダートグレード競走3着は伊達ではないところを見せてくれました。52kgを味方に再びあっと言わせてくれるかもしれません。

斤量の軽いキクノステラは連勝なるか(写真は19年東海桜花賞優勝時、撮影:谷口浩)


 地元名古屋のスムーズジャズ。前走・東海桜花賞はキクノステラの2着。JRAから岩手を経て昨年名古屋に移籍後の成績は19戦10勝、2着6回【10-6-2-1】と素晴らしい成績。着実に力を付けている5歳馬。ダートグレード競走初挑戦、最軽量51kgでどんな走りを見せてくれるか楽しみです。

地元で勝てるかスムーズジャズ(写真は19年東海桜花賞出走時、撮影:谷口浩)


【今回のイチオシ馬!】
・ウインムート
ここまでの戦歴で強い相手に揉まれながら着実に力を付けてきた印象。血統的魅力も相まって更なる飛躍に期待。

【気になる馬】
・ゴールドクイーン
ダートグレード競走初参戦。未知の魅力に溢れた4歳牝馬。

 ダートグレード競走勝ちがあるのはウインムート、テーオーヘリオス、エイシンバランサー、リエノテソーロの4頭。一昨年からハンデ戦となったかきつばた記念、今回の負担重量は51kgから57.5kgで最大6.5kg差。ハンデ差を活かした軽量馬の台頭はあるのか?実績馬が実力を見せつけるのか?牝馬の勝利、はたまた地方馬の勝利はあるのか?見どころ満載のハンデ重賞、令和初・歴史の1ページに名前を刻むのは果たしてどの馬でしょうか。

 ゴールデンウイークのダートグレード競走はこのかきつばた記念を皮切りに、5月2日(木)園田の兵庫チャンピオンシップ、6日(月)船橋のかしわ記念と3つの競走が行われます。豪華3重賞、お見逃しなくご覧ください!

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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