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GI馬2頭が再戦、勝つのはどちら?/NHKマイルC

  • 2019年04月30日(火) 12時00分

一冠目からのNHKマイルC転戦は牡牝どちらが有利?


 今年のNHKマイルCは、2歳牡馬チャンピオンと桜花賞馬が対決することとなった。朝日杯で既に対決しているこの2頭、当時はアドマイヤマーズが勝ったがグランアレグリアも桜花賞の好内容勝ちで勢いをつけており、今回の人気はむしろこちらかもしれない。

 この2頭はともにクラシック一冠目からの転向組であり、過去に類似事例がたくさんあるというわけではない。そこで少し違った角度から、今回の参考になるかもしれない過去の馬たちの話をご紹介しよう。

 まずは桜花賞馬がその次走でオークスもしくはオークストライアル以外のレースに出走したケースだ。グレード制導入以降で4例しかなく(桜花賞を最後に)、うち3例はオークスに出走できずローズSで復帰したケース。意思として他のレースを選んだのは2005年のラインクラフトだけで、ご存知の通り見事にNHKマイルCで優勝した。

 一方、皐月賞で掲示板に載った馬がNHKマイルCに出走したケースは過去7頭で成績は[1-1-2-3]。こうしてみると分が悪いように見えるが、過去10年では該当1頭のみでそれが優勝したクラリティスカイ。また04年には2,3着馬がこのパターンで出ているが、その時の優勝馬がキングカメハメハだから、まあ仕方ない面がある。

 牡馬と牝馬の比較についてはどうだろうか。牡牝ともに出られる3歳GIに牝馬が出走したケースは、平成以降で[6-3-4-41]。ピンクカメオのNHKマイルC(17番人気1着)があるので回収率は大幅プラス。3番人気以内に推されたケースは[5-0-1-6]、NHKマイルCに関しては[4-0-1-4]。回収率は単155%・複94%となる。

 以上のように見ていくと、今回はグランアレグリアをアタマに付けてアドマイヤマーズを2or3着にというのがしっくりくるが、直接対決で一度負けているだけにまだ悩んでしまうところではある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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