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JRAブリーズアップセール組の注目馬(須田鷹雄)

  • 2019年04月30日(火) 18時00分

「仕入れ」に苦労した結果、ハイリスクハイリターンに?


 今年も赤本(POGの達人)が無事校了となり、4月26日より絶賛発売中。よろしくお願いします。

 さて、その赤本で、昔は収録されていたのにここ数年収録できなくなってしまったのがJRAブリーズアップセール組。こればかりは日程的に仕方ないので、今回のコラムでご紹介したい。

 まず総論だが、この世代はJRAが「仕入れ」に苦労した世代だ。一昨年も似たような状況ではあったが昨年のサマーセールはさらなる盛況で、さすがのJRAもなにかしらに妥協して購買馬を選ぶしかなかった。

 それと多少の関係があるのかなと思ったのが上場馬のサイズだ。2月時点のものだが馬体重の平均は2015年456.2キロ→2016年453.2キロ→2017年456.0キロ→2018年463.3キロときて2019年は449.5キロ。ホームブレッドの牝に410キロ台が3頭いた影響もあるが、平均値以上に小さい馬の存在が目についた気がする。集計していないが偏差が大きくなっているかもしれない。

 芝で距離のもつタイプの種牡馬が増えたというのも今年の印象だ。なにをもって該当種牡馬とするかはともかく、名簿を見てもらえば納得してもらえるのではないかと思う。エスケンデレヤ以外の新種牡馬にそういうタイプが多かった影響もあるかもしれない。

 結果としてネームヴァリューのある父が多くなっているのだが、厳しいセリ環境下で付加価値の高い種牡馬の仔を買ったとなると、母系か馬体のなにかを妥協しているケースもあるかと思う。とにかくいまの1歳セリは買い手にとって厳しい状況だ。この説が正しいと、今年のJRAブリーズアップ組はハイリスクハイリターン。POG的には走る馬を当てさえすればいいが、実際な対価を払うリアル馬主にとっては、平均価格が上昇したぶんだけより厳しい戦いになっている。

 種牡馬については、もともとダートや短距離がJRA育成馬の得意分野だっただけに実際のセリとしては心配な面もあるが、芝の中長距離を走ってナンボのPOGとしては、選択肢が増えたと見ることもできるだろう。ちなみに調教供覧ではキズナとエスケンデレヤの仔が好印象だった。エスケンデレヤ産駒は実際の馬格以上に大きいフォームで走れる馬が多いように思う。

 前置きが長くなったが、何頭か注目馬を挙げておこう。

最高価格となった母ニシノミラクル(牡/父キズナ・清水久・442キロ)は出し切ったという感じでもない中での12.0秒→11.0秒。かなり激しいセリになった。上2頭が勝ち上がっているし、サンデー3×3のクロスが邪魔しなければ本馬も勝ち上がり有望だ。

 牝馬最高価格もキズナ産駒の母チョウカイクリス(牝/父キズナ・谷・446キロ)で、本馬は仕入れがセレクトセール。ピッチ走法だが重心が低く、12.1秒→11.4秒とまとめた。母系のスピード色が強いのも魅力だ。

 ホームブレッドでJRAがいちばん自信を持っていたというのが母タキオンメーカー(牡/父アルデバランII・根本・466キロ)。ややクビの高い走りだが前半から軽快に飛ばし、11.3秒→12.0秒。終盤は多少セーブした感があった。

 あとは須田の個人的チョイスで、まずは母レースドール(牝/父ジャスタウェイ・西園・436キロ)。馬場入り時に気性の難しいところを見せていたが、走ってからは問題なかった。時計は13.5秒→12.0秒と普通だが、反応そのものは良かった。

 たくさんいたエスケンデレヤ産駒では母エーシンパナギア(牝/父エスケンデレヤ・宗像・464キロ)。上に中央3勝馬がいるし、走りもストライドが大きく迫力十分。同じ父ではゴールドシップのおいにあたる母ミラクルフラッグ(牡/父エスケンデレヤ・森田・460キロ)もよかった。

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