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インティVSゴールドドリーム、再びの一騎打ち/第31回かしわ記念

  • 2019年05月05日(日) 18時00分

新時代のダートマイル王の座をかけた一戦


 5月6日(月・振替休日)船橋競馬場で行われる『第31回かしわ記念(JpnI・1600m)』。令和時代最初のゴールデンウィークを締めくくるのにふさわしい豪華メンバーが揃いました。
今年のJRA勢6頭のうち5頭がGI・JpnIホース。地方勢ではNARグランプリ2018の年度代表馬・4歳以上最優秀牡馬・最優秀短距離馬をトリプル受賞したキタサンミカヅキが参戦。新時代のダートマイル王の座をめぐる華やかなトップホースたちの戦いに心が躍ります。

 中でも注目が集まるのはフェブラリーSで1、2着だったインティとゴールドドリームの再戦。

今年のフェブラリーSで激戦を繰り広げたインティとゴールドドリームの再戦に注目(写真は19年フェブラリーS出走時、撮影:下野雄規)


 デビューから8戦7勝【7-0-0-1】、7連勝でフェブラリーSを制したインティ。GI初出走で歴戦の面々相手に逃げて直線でもリードを広げ、差を詰めてきたゴールドドリームに並ばせることなくクビ差ゴール。着差以上に余裕があった印象で、ビッグタイトルを手中に収めました。今回地方競馬初参戦ですが、「スパイラルカーブ採用で走りやすく紛れも少ない」と言われている船橋コース。鞍上はかしわ記念をすでに3勝している武豊騎手(1997年バトルライン、2016年&2017年コパノリッキー)というのも心強い材料。どこまで勝ち星を伸ばすのか?更なる高みを目指します。

7連勝でフェブラリーSを制したインティ(写真は19年フェブラリーS優勝時、撮影:下野雄規)


 前走フェブラリーSで唯一インティに迫ったゴールドドリーム。2017年フェブラリーSとチャンピオンズC、昨年のかしわ記念と帝王賞を制したGI・JpnI4勝馬。2017年12月のチャンピオンズC以降7戦すべてGI・JpnIで100%連対【3-4-0-0】と充実期を迎えています。かしわ記念はブルーコンコルド(2006年2着、2007年1着、2008年2着)、エスポワールシチー(2009年&2010年1着、2011年3着、2012年1着、2013年2着)、コパノリッキー(2014年1着、2016年&2017年1着)のように上位のリピーターが何度も活躍するレース。

かしわ記念にて1着3回、2着・3着1回という好成績を収めたエスポワールシチー(写真は12年かしわ記念優勝時、撮影:高橋正和)


かしわ記念にて3回優勝をしたコパノリッキー(写真は17年かしわ記念優勝時、撮影:高橋正和)


 昨年の勝ち馬であるゴールドドリームにとって、同じ相手に再び負けることはできない戦いとなります。大活躍中のルメール騎手を背に、前走のリベンジを狙います。

リピーターが活躍するかしわ記念での連覇と、前走フェブラリーSのリベンジを狙うゴールドドリーム(写真は18年かしわ記念優勝時、撮影:高橋正和)


 オールブラッシュは昨年のレースで逃げてゴールドドリームの2着。その後11月の浦和記念1着、1月の川崎記念3着、前走・ダイオライト記念3着とここにきて復調気配。今回、逃げるインティとの兼ね合いがポイントとなりますが、浦和記念のように好位からのレースもできる自在性のある馬。2017年の川崎記念以来となるJpnI勝利を目指します。

浦和記念時のように好位からのレースもでき、自在性のあるオールブラッシュも侮れない(写真は18年浦和記念優勝時、撮影:高橋正和)


 2016年の東京大賞典を制しているアポロケンタッキー。船橋は2017年の日本テレビ盃を制していて【1-3-0-0】と好走している舞台。とはいえ1600m戦は、3歳時・2015年5月の青竜S(東京・OP・9着)以来4年ぶり。距離短縮がカギとなりますが、前走・ダイオライト記念(2400m)では前述したオールブラッシュを交わして2着。今回も虎視眈々と上位を狙います。

距離短縮がカギとなるアポロケンタッキーはかしわ記念でも虎視眈々と上位を狙う(写真は16年東京大賞典優勝時、撮影:高橋正和)


 モーニンは4歳時デビュー以来7戦でGI・フェブラリーSを制し、今年のインティのように大きな話題を集めた存在。その後かしわ記念には毎年出走して2016年8着、2017年3着、2018年6着と苦戦が続いています。しかし昨年、韓国のコリアスプリントで久しぶりの重賞勝利を挙げ、前走フェブラリーSでも4着とこちらも復調気配。

毎年出走しているかしわ記念では苦戦が続いていたが、近走で復調気配をみせているモーニン(写真は16年フェブラリーS優勝時、撮影:下野雄規)


 ドリームキラリはJRA勢で唯一重賞勝ちはありませんが、4歳秋にオープン入りしたのち着実に力を付けてきた7歳馬。重賞では2017年エルムS3着、2018年エルムS2着が光る成績。前走・リステッド競走のオアシスS(東京・1600m)で逃げて2着。最重量59kgを背負っていたことを考えればよく粘ったと言っていいでしょう。初めてのJpnIレースでどこまで戦えるか注目。

重賞実績こそないものの、着実に力を付けてきたドリームキラリが初JpnIレースでどこまで戦えるかは注目(写真は18年欅S優勝時、撮影:下野雄規)


 船橋のキタサンミカヅキが地元船橋競馬場のレースに初登場!前走・東京スプリントでダートグレード競走3勝目を挙げた地方競馬のトップホース。ただし1600mの経験は少なく、これまで2戦2着1回【0-1-0-1】という成績。マイル戦への対応がカギとなりますが、普段の調教で乗りなれているコースで、アッと驚くパフォーマンスを見せてくれるかもしれません。

地方競馬のトップホース、キタサンミカヅキ。地元船橋競馬場で強敵揃いのJRA勢に打ち勝つことができるか(写真は19年東京スプリント優勝時、撮影:高橋正和)


 地方勢からもう1頭。1月のジャニュアリーS(中山・OP・1200m)14着後、JRAから船橋に転入したコウエイエンブレム。ダート短距離のオープン戦線で好走してきた馬で、距離延長に心配はありますが、転入初戦、新天地での走りに注目。

JRAから船橋に転入したコウエイエンブレムの新天地での走りに注目(写真は17年天王山S優勝時、(C)netkeiba.com)


【今回のイチオシ馬】
・インティ
 ダート界の新星。快進撃がどこまで続くのか。地方競馬の舞台での快走劇に期待。

【気になる馬】
・キタサンミカヅキ
 地方競馬のチャンピオンホース。距離はベストな条件ではありませんが、地元船橋で地方馬代表の意地を見せて欲しい。

 歴代の名馬たちが制してきた伝統の一戦。インティ対ゴールドドリーム、2頭のライバル対決は騎手の手腕も含め見どころ満載。ダートの新時代を告げる頂上決戦から目が離せません。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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