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7-12番人気はぜんぶ買うのもアリ!/ヴィクトリアマイル

  • 2019年05月06日(月) 18時00分

■ヴィクトリアマイル(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録19頭


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口


 NHKマイルCと同様に、人気薄の激走が目立つヴィクトリアマイル。荒れる理由ともっとも密接に関わってると思われるのが、差せそうで差せないというレース傾向で、これは東京芝1600mというコース自体の特徴でもある。人気馬は中団から差すタイプでも大丈夫だが、穴馬に関しては先行勢を狙ったほうが絶対にいい。

 今回掲載しているのは、7番人気以下で出走した馬に限定したデータ。前走での上がり3F順位別に集計すると、前走での上がり3F順位が「5位以内」か「6位以下」かで、信頼度に極端なまでの差が出ている。前者がトータル[0-1-2-48]で複勝率5.9%であるのに対して、後者は[3-5-3-54]で同16.9%という素晴らしい成績。誰がどう見ても、前走上がり3F順位が6位以下だった馬=先行勢のほうが「買い」なのである。

 この組でもとくに期待できるのが、前走→今回での斤量増減が「あり」の馬。斤量が前走から変わらない馬はなぜか不振で、ここを除外するだけでその成績は、[3-4-3-32]で連対率16.7%、複勝率23.8%、単勝適正回収値155、複勝回収値356という、驚異的なレベルにまで向上する。昨年の1着馬ジュールポレール(8番人気)と3着馬レッドアヴァンセ(7番人気)も、この条件を見事にクリアしていた。

 今年の登録馬で「今回7番人気以下かつ前走上がり3F順位が6位以下かつ斤量増減なし」という条件を満たしそうな馬は、アマルフィコースト、クロコスミア、ミエノサクシード、メイショウオワラ、ワントゥワンの5頭。その他にも強調材料が多いアマルフィコーストとミエノサクシードの2頭が、今回のデータ特注穴馬である。



【コース総論】東京芝1600m Bコース使用

・コースの要所!

★ふたケタ人気の単勝を狙うのはナンセンス。人気薄はヒモで狙うのが正解。
★枠番の内外による成績差は皆無。外枠を理由に評価を割り引く必要はない。
★差せるがイメージほどではない。好位から競馬できる馬を上位評価すべき。





 今週からA→Bコース替わりとなるので馬場バイアスの変化はあるかもしれないが、当然ながら東京芝1600mのデータ自体に変化はなし。先週のNHKマイルCでも、「人気薄はヒモで狙う」や「外枠でも評価を割り引く必要なし」といったコース傾向に、バッチリ合致した結果が出ている。同じ内容を2週連続でやってもあまり意味はないので、ここはさらっと流させていただこう。詳しい解説は前回分をご参照いただければと。

 人気薄の激走率がけっこう高いコースではあるが、極端な人気薄を1着で狙うのはダメ。人気薄は2〜3着のヒモで狙うというのが、東京芝1600mの鉄則だ。そして枠番については、内外まったく関係なし。とてもフラットなコースであり、大外に入っても評価を割り引く必要はまったくない。それを理由に人気を落とすなら、逆にオイシイ。

 脚質については「イメージほどには差せない」が結論で、Bコース替わりとなる今週は、そこをしっかり意識しておく必要がありそう。クラスが上がると差し優勢の傾向が強まりはするが、基本的には4コーナーを6番手以内で回った先行勢から勝負したい。時計は相変わらず速いので、スローの上がり勝負となった場合でも後方から追い込むのは、かなり難しいと考えるべきだろう。

【レース総論】ヴィクトリアマイル(G1) 過去10年

・レースの要所!

★7〜12番人気の激走率が猛烈に高いレース。大穴を積極的に狙っていくべき。
★平均人気の差はあるが、それでも内枠は好内容。Bコース替わりの影響アリ。
★中団なら差せるが後方からの追い込みは至難。警戒すべきは穴馬の前残り。
★5歳以下馬や前走460キロ以上馬が好成績。3〜4月生まれの馬もなぜか強い。








 レースの平均配当は、単勝1106円、馬連1万1721円、3連複31万4666円。2015年に3連複286万、3連単2070万という超ド級の高配当が飛び出したのもあって、平均配当はとんでもなく高くなった。それ以外にも人気薄の激走例は枚挙にいとまがないほどで、順当に決まったのは2011年くらいのもの。今年も人気薄を狙ってナンボである。

 まずは枠番。きわめてフラットなコースで、枠番の内外による勝率や連対率の差は相変わらず非常に小さいのだが、内枠である馬番1〜6番の複勝率だけが23.3%と突出して高くなった。さらに、回収値ベースの数値はいずれも大台である100を突破。平均人気8.1と飛び抜けて人気にもなっているとはいえ、これは高く評価できる内容だ。やはり、Bコース替わりの影響が出ているのだろう。

 脚質については、ほぼコースデータ通りの結果。勝率や連対率がもっとも高いのは、4コーナーを7〜12番手で回った中団待機組だが、先行勢も互角に張り合っている。信頼度の差し馬、爆発力の先行勢といった印象で、注目すべきは先行勢の回収値ベースの数値が猛烈に高いこと。冒頭の「特注データ」でも解説したように、前走で速い上がりを使っていない先行勢が、ここで巻き返してくる可能性が高い。

 年齢別では、4〜5歳馬が好成績。6歳以上馬もそれなりに馬券絡みしており、これを理由に「消し」となるほどではないが、評価は少し割り引いたほうがいいだろう。興味深いのが前走馬体重別での成績で、前走459キロ以下馬は「前走4番人気以内」であるのが好走の条件に。つまり、人気薄では狙いづらいということだ。対照的に前走460キロ以上馬は、人気を問わず活躍しており、人気でも穴でも狙える内容となっている。

 最後に、アノマリー系の「小ネタ」をひとつ。ヴィクトリアマイルの好走馬は、妙に「3〜4月生まれ」が多いのである。とくに強いのが3月生まれの馬で、[6-3-2-35]で連対率19.6%、複勝率23.9%、単勝適正回収値187.6、複勝回収値111という超優秀な内容。人気薄で激走した馬も、そのほとんどが3〜4月生まれだ。こういう結果が出ている因果を解説しようもないが、取捨に迷った時には役立つかもしれない。

【血統総論】


 種牡馬別では、ディープインパクト、クロフネ、ディープブリランテの産駒をプラス評価の対象とした。ディープインパクト産駒の強さは言うまでもないが、注目に値するのがそれと信頼度で互角に張り合っている、クロフネ産駒の強さ。単勝適正回収値159.0と、爆発力の強さも兼ね備えている。あとは、単勝適正回収値116.1、複勝回収値142、ギャップ値プラス0.5をマークしている、ディープブリランテ産駒も要注目の存在だ。

★ヴィクトリアマイル 総論×各論

 アエロリット、ソウルスターリング、ラッキーライラック、レッツゴードンキと、今年は4頭のG1ホースが登録してきたヴィクトリアマイル。とはいえ、この4頭ともが前走でイマイチな結果に終わっており、混戦ムードが漂っている。前走で初重賞制覇を達成したミッキーチャームとフロンテアクイーン、一昨年の2着馬で前走で待望の3勝目をあげたデンコウアンジュなども侮れず、非常に難しい一戦となりそうである。

 現時点でのトップ評価は、上位人気の一角となりそうなラッキーライラック。前走の阪神牝馬Sでは人気を裏切り8着に終わったが、ロスが重なるレースだったのは事実で、度外視してもいいほど。東京替わりは何の問題もなく、Bコース替わりもプラスに出るクチだろう。プラス材料の多さと実績からも、ここは巻き返しが期待できる一戦だとジャッジ。牡馬の一線級にも通用するその地力を、改めて証明してくれそうだ。

 二番手評価にミエノサクシード。条件戦で走っていた頃から「末脚だけなら超一流」だった素質馬が、6歳を迎えてようやく完成の域に達した感がある。今年は京都金杯で3着、阪神牝馬Sでも3着と強い相手に好走を続けており、デキはかなりいいはず。6歳であるのが割引材料ではあるが、プラス評価となった項目の多さは、それを補ってあまりあるものだ。秋華賞以来となる二度目のG1挑戦での「一発」に期待する。

 三番手評価にアマルフィコースト。こちらも京都牝馬Sで3着、阪神牝馬Sで2着と、近況の好調さが目立つ1頭である。しかも、この両方がふたケタ人気での激走というのが、波乱傾向の強いこのレースでは大きな魅力。冒頭の「特注データ」推奨条件を満たしており、ここでさらにドカン!という結果も十分にありうる。先週のNHKマイルCを、ダイワメジャー産駒のアドマイヤマーズが制したというのも追い風だろう。

 四番手評価にアエロリット。昨年秋のマイルCSが12着、前走はアメリカのペガサスワールドカップターフに遠征して9着と冴えない結果が続いているが、牡馬を相手に何度も好走しているなど、実績面は抜きんでている。クロフネ産駒が見せている高いコース適性や、海外遠征からのローテが好成績であることなど、見直してみる価値は十分にありそうだ。横山典ジョッキーが再び手綱を握る予定であるのも、要注目。

 以下はカンタービレ、プリモシーン、ミッキーチャーム、レッドオルガ、クロコスミアという評価の序列。さらに穴候補を追加するならば、メイショウオワラとワントゥワンか。とにかく2〜3着には積極的に穴馬を狙うべきで、うまくハマれば3連単20〜30万馬券コースに余裕で手が届くはず。「7〜12番人気はすべてヒモで買う」くらいの勢いで、ここは高配当を狙っていきたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




かすりもしないとは(#^ω^)ビキビキ

 なんとな〜く嫌な予感はしてたんですが……少頭数になると内枠のメリットが小さくなるのは、当然っちゃ当然ヨネ(反省)。それに、エタリオウがあそこまで極端な競馬をするとは、さすがに読めなんだ。あとはメイショウテッコンですが、やっぱり楽にハナに行ける組み合わせではないと厳しいのかも。う〜ん、反省材料しかない一戦だったぜ……。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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