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春の4歳以上牝馬による頂上決戦!ヴィクトリアマイルの追い切りチェック!

  • 2019年05月08日(水) 18時00分

最終追いの脚力が素晴らしかったラッキーライラック


 最終追い切りの4F時計が遅いことで、評価に悩んだアドマイヤマーズ。見事な優勝となりましたから、あの調整がベストだったということでしょう。ただ、個人的にはグランアレグリアをマークしたことで、自分のレースができなかったグルーヴィットという印象しか残らないレースになってしまいました。

 いざ追い出して伸びたかどうか。それはやってみないと分かりません。ただ、ダノンチェイサーもその付近にいて、イメージした通りのレース展開になっていただけに、やっぱり消化不良の気持ちがあります。でも、それが競馬。かしわ記念のゴールドドリームに騎乗したC.ルメール騎手の騎乗は完璧だったと思いますし、勝利ジョッキーインタビューで「ゴメンナサイ」と発言したのが真意でしょう。

 失敗があってこそ成功がある。私自身の予想も結果的に皆様のお役に立てるように努力したいと思いますし、アノ馬も前走の失敗を糧にして、今週は結果を出してくれるはずです。

【京王杯SC/トゥザクラウン】

 ブリンカーと距離短縮が近3走の安定した成績になっているような気がします。そういった意味では今の状況が最も集中力が続くのかも知れません。今回も同じ状況に思えますが、違うのは出走頭数。これまではすべて13頭以下でしたから、頭数が多くなってもこれまでのように自分のリズムで集中して走ることができるかどうか、これがひとつの鍵になるでしょう。

 1週前追い切りはCWでの併せ馬に遅れていますが、これは毎度のパターン。前走でも同じ場所でシロニイに遅れていましたが、今回の相手、ソーグリッタリングならよく走っている方です。ただ問題は最終追い切り。CWでしたが、馬なりのクライムメジャーに追って遅れます。最終追いは同入が前走なので、スピード勝負になった時の乗り遅れはやや心配です。

トゥザクラウン

トゥザクラウンは併せ馬に遅れたが、これは毎度のパターン(5月7日撮影)


【ヴィクトリアM/ラッキーライラック】

 秋華賞以来の中山記念を2着と好走した後の阪神牝馬S。反動が出たのでは、と思う方もいるかも知れませんが、スムーズなら全く違う結果になったと想像しているのが個人的な見解。いずれにせよ、前走が負けたことには変わりないので、大切なのは今回が走れるかどうか。その点に関しては「大丈夫」と判断できる調教内容になっています。

 まず、この馬にとって大切な1週前追い切り。併せ馬で先着できるだけの前向きさ、素軽さが整っているかを確認する時期ですが、それに関しては申し分ありません。ギラーミンを追いかけて、外を回りながら、抜群の手応えで一瞬にして相手に追いつく加速力でした。そして、最終追い切り。先週と同じギラーミンを追いかける内容で、坂路4F50.7秒。自己ベストを0.1秒更新するスピードを見せました。併せた相手を突き放す時に脚力が素晴らしく、これは前走以上。そう判断したいところです。

ラッキーライラック

ラッキーライラックは前走以上と判断したい(5月2日撮影)


【ヴィクトリアM/ミッキーチャーム】

 中間の追い切り内容もしっかりしており、休み明けでも動けると判断した中山牝馬Sが惨敗。追い切り内容としては少し物足りないし、最終追い切りも栗芝という変則で不安視した阪神牝馬Sが快勝。個人的には判断が難しい馬という印象ですが、単純にいかにも牝馬らしく、ソフトに仕上げることが好走につながると判断すればよいのでしょう。

 最終追い切りが栗東坂路だったのはデビュー以来初めてですが、軽く済ませるという意味では当然評価できます。ラップの踏み方も1F目15.0秒とゆったり入って、4F目12.6秒の最速ラップ。現状のミッキーチャームには最適と思える最終追いではないでしょうか。

ミッキーチャーム

現状のミッキーチャームには最適と思える最終追い(5月7日撮影)


【ヴィクトリアM/レッドオルガ】

 前走時の最終追い切りは坂路4F55.4秒といつもより遅くなりましたが、決してそれが敗因というわけではないと思います。7着といっても勝ち馬から0.1秒差ならそれなりに走っていると思いますし、舞台が東京マイルならベストといってよいかも知れません。

 そう思える理由のひとつは紅葉Sを勝った時のレース前週日曜日のCW追い切り。これは左回りになるので、ここでレースのスパーリングを行うことがひとつの好走パターンになっています。今回も5月5日のCWで時計を出しています。ここでスパイスを利かせて、最終追い切りはいつも通り。これで十分好走できる状態だと思います。

【ヴィクトリアM/カンタービレ】

 1週前追い切りはCWで推進力を見せた素晴らしい動き。3頭併せの真ん中でしたが、追いかけてくるサトノワルキューレを全く問題にしない走りには力感が漲っていました。3歳時は動くけど重みの足りないところがありましたが、4歳になって重厚感が出てきた印象です。

 最終追い切りが坂路はエリザベス女王杯以来。この時が2F24.4秒と後半2Fが速い時計でしたが、4F目最速ではありませんでした。フラワーC1着時が2F24.5秒、1F11.9秒。このラップ比較をすると、4F目最速ラップがベストと判断すべきなのでしょうが、決して悪い内容ではないと思います。

カンタービレ

カンタービレの最終追いは決して悪い内容ではない(5月7日撮影)


◆次走要注意

・5/5 NHKマイルC【グルーヴィット】(4人10着)

 11着までが0.5秒差にひしめく大混戦。ちょっとしたことで着順に変化が出たレースだったと思います。全く力を発揮することができなかったのは間違いないと思えるだけに、マイル以下の距離なら芝でも十分に勝ち負けできると思いますし、ユニコーンSあたりでも面白いかも知れません。

[メモ登録用コメント] [マイル以下]最終追い切り栗坂4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・プリンシパルS【レターオンザサンド】
 先週の競走取りやめになったレースへ再度出走予定。疲れて追い切りでは動かないのが普通だと思いますが、ワントゥワンに先行した内容は実に軽快。このタフさは魅力があります。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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