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【騎手のGIコース解説】武幸四郎調教師がメイショウマンボで制したオークスの攻略法を解説(無料公開)

  • 2019年05月12日(日) 18時01分
GIドキュメント

▲2013年のオークスをメイショウマンボで制した武幸四郎調教師(当時騎手) (撮影:大恵陽子)


GI恒例! ジョッキーによるコース解説の当コーナー。いつもはそのレースを勝ったことのある現役ジョッキーに解説をお願いしていますが、今回は特別バージョン! 現役時代にメイショウマンボでオークスを制覇した武幸四郎調教師にご登場いただきます。ウイナーズサークルでは松本好雄オーナーと共に、こらえきれず涙するシーンに多くの方が胸を熱くされたことでしょう。あれから6年。今年のオークスには武調教師の管理するメイショウアステカが6分の2の抽選枠に入っています。改めて振り返るオークスとはどんなものだったのでしょうか。

(取材・文=大恵陽子)


桜花賞からの距離延長を考慮して


――メイショウマンボは当時、フィリーズレビューを勝って桜花賞10着からのオークスに9番人気での出走でした。レース前はどのようなお気持ちでしたか?

武幸四郎調教師(以下、武幸師) 3歳の、ましてや牝馬で2400mはどの馬も初めて。僕だけでなく全馬不安がある状況だったと思います。距離が持つタイプなのかどうかっていうこともありますが、みんな初経験の状況なので、「本質的には長いな」と思う馬でも、3歳春で牝馬同士なら距離が持っちゃうこともありますしね。

――距離適性について「オークス向きの馬」という表現がされることもありますね。

武幸師 マイルじゃ短いってことですよね。1600mと2400mって全然違いますよ。

――距離で言うと800mですが、ワンターンかぐるっと1周回るかによって道中のラップなども変わってきますしね。オークスは大観衆のスタンド前発走となります。

武幸師 平気な馬もいれば、ちょっと自分を失っちゃう馬もいます。(メイショウ)マンボはイレ込んで大変でした。秋には冷静に走っていたんですが、オークスだけは返し馬から結構もう…。勝ちましたが、あの日は特にイレ込んでいましたね。

――とはいえ、ゲートが開くとレースは落ち着いて走れていたように見えます。

武幸師 そうですね、レースでは全然引っ掛かることもなく走ってくれました。2枠3番だったので、そのまま内のいい所を走りました。

――マイルの桜花賞から距離延長になりますが、意識的に控えようという気持ちはありましたか?

武幸師 折り合いがね…1600mからの2400mですから。いいポジションは取りたいですが、折り合いに不安のある馬もいます。いい位置を取りに行ったら掛かっちゃうし、折り合いだけを気にしていたら後ろになっちゃうし、という感じですね。

――レースはクロフネサプライズが1000m通過59秒6とややハイペースで単騎逃げを打ちました。

武幸師 ああやって離して逃げる馬がよくいますが、ポツンと逃げている分には気にしなくてもいいと思います。2番手の馬が追いかけて縦長になれば別ですが、単騎逃げなら2番手以降のペースを考えればいいと思います。

――直線に入ると、スーッと外に持ち出して伸び、見事オークスを制覇されました。

武幸師 あの時はデニムアンドルビーが人気をしていたんですよね。あの馬も距離の長いところでいい競馬をした馬でしたね。

GIドキュメント

▲オークス馬となったメイショウマンボは、同年の秋華賞・エリザベス女王杯も制し、GI3勝を挙げた (撮影:下野雄規)


メイショウ松本オーナーの馬で、調教師として参戦も


――ウイナーズサークルにやってきた時、松本好雄オーナーと共に涙ぐまれていたのがとても印象に残っています。

武幸師 そうですね、はい、いや(照)。

――ジョッキーとして2013年オークスを制覇されましたが、一昨年に引退し調教師に転向されました。今年は松本好隆オーナーのメイショウアステカでオークス出走のチャンスです。

武幸師 デビューから3戦をダートで走っている馬ですが、芝も距離も心配ありません。6分の2の抽選枠ですが、入ればいいですね。

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