大事に使われてきた4歳馬の活力に期待/ヴィクトリアマイル
早期完成型ではなく、まだピークに達していない
今週は内ラチを移動してBコース。人気の先行型アエロリットも、ラッキーライラックも、前回はともに弱気に出て大きな悔いを残した。今回は強気に先行すること必至。例年、1週前のNHKマイルC以上の高速レースになる。過去10年のうち、良馬場で行われた8回の勝ち時計平均は「1分32秒15」。1分31秒台も3回あり、2016年はコースレコードとわずか0秒2差の1分31秒5だった。
8頭もいる4歳馬を中心に、多くの馬が持ち時計を短縮することになるが、これはベテランより若い4歳馬のほうに対応力がある。ここまで13回、4歳【7-10-4-92】、5歳【4-2-7-57】、6歳上【2-1-2-44】。
15〜16年に、6歳、7歳で連勝したストレイトガールを別格のタフネスガールとすると、可能性はあるものの、6歳以上馬の連対は少々きびしいかもしれない。
大事に使われてきた4歳プリモシーン【3-2-0-4】はまだ活力十分。スタートに課題を残しつつ1分31秒台が2回もある。2歳時は470キロだった馬体が、現在は500キロ前後に成長し、細身の印象を脱しパワーアップした。
昨年夏の関屋記念1着の1分31秒6(コースレコードと0秒1差)は新潟だけに評価は難しいが、前走、ダービー卿CTの1分31秒7は価値がある。レースレコードの勝ち馬とクビ差だった。勝ったのは豪州産のフィアーノロマーノ(父ファストネットロック)。
プリモシーンの母の父はそのファストネットロック(AUS)。NHKマイルCは、同じデインヒル直仔のロックオブジブラルタル(IRE)を母の父にもつダノンチェイサーに注目して、最後は「バテないが鋭くない」弱みに泣かされたが、欧州型のロックオブジブラルタルには競走成績と知名度では譲っても、種牡馬成績では逆にリードするのは豪州のスピード競馬で快走していたファストネットロック。
自身はスプリンターだったが、産駒はむしろマイルから中距離に向くスピード型が多い。欧州でも英オークス馬、英チャンピオンS10Fなどの勝ち馬を送り、プリモシーンの母モシーン(AUS)は1600mから2500mのGI4勝を含み18戦8勝だった。フィアーノロマーノが示したように軽快なスピードを前面に出す産駒が多い。
簡単にはバテない総合力とスピードを母方から受け継いだはずのプリモシーンは、ディープインパクト産駒、東京の直線の追い比べ大歓迎だろう。早期完成型ではなく、まだピークに達していない。
今度は積極策を取るはずのラッキーライラック、アエロリット本線。伏兵の筆頭は同じ4歳のノームコアと、穴馬にサトノワルキューレ。