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桜花賞馬不在+別路線組上位人気のオークス

  • 2019年05月14日(火) 12時00分

過去4回の傾向から手がかりを探ってみたい


 今年のオークスは桜花賞馬グランアレグリア不在が確定済み。さらに1番人気がコントラチェックかラヴズオンリーユーといった非桜花賞組になる可能性もある。後者についてはクロノジェネシスが1番人気になって阻止するかもしれないが、可能性としては否定できないだろう。

 まずは桜花賞馬不在についてだが、グレード制導入(1984年)以降だと、2002年、2005年、2007年、2016年がそれにあたる。

 アローキャリー不在の2002年は桜花賞6着のスマイルトゥモローがオークス優勝。同7着のチャペルコンサートが2着、忘れな草賞勝ちのユウキャラットが3着に入った。

 2005年は桜花賞2着のシーザリオが優勝。2着は桜花賞4着のエアメサイア、3着はフローラS勝ちのディアデラノビア。

 2007年は桜花賞馬ダイワスカーレットだけでなく同2着のウオッカも不在。オークス優勝は桜花賞4着のローブデコルテ。2着にフローラS勝ちのベッラレイア、3着にスイートピーS2着のラブカーナ。

 2016年は桜花賞2着のシンハライトが優勝。フローラS勝ちのチェッキーノ2着、フローラS5着のビッシュが3着。

 こうして見ると、桜花賞馬を失ってもなお桜花賞組はそれなりに強く、1着候補は桜花賞組から探してもよさそう。なにぶん該当例が少ないので別路線組の買うべき馬については判断が難しいが、今年人気の盲点になっているフローラS組は過去の例からも重視すべきではないだろうか。

 もうひとつ注目したいのが、ラブカーナやビッシュのような、通常だと買えないような馬が3着に来ていることだ。「例年なら打たない△」をひとつふたつ打ちたいようにも思う。

 非桜花賞組が上位人気になることについてはどうだろうか。過去20年に限定して(それ以前はローテーションのあり方がだいぶ違うので)「桜花賞不走だった1〜3番人気馬」の成績を調べると[2-2-4-12]で回収率は単67%・複81%。まあ、普通といえば普通の回収率だ。別路線組なのに上位人気という時点で過小評価になっていることは考えづらく、このパターンそのものにうまみはない。

 ちなみに勝った2頭、ミッキークイーンとカワカミプリンセスはともにオークス3番人気。今年の候補2頭についても、人気が盛り上がり過ぎたら逆に消し、3番人気に落ち着くくらいが逆に歓迎、という感じで見ておけばいいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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