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注目馬が続々、北海道2歳戦

  • 2019年05月14日(火) 18時00分

新種牡馬の産駒2頭の勝利も


 4月17日に始まったホッカイドウ競馬の開催も、先週(5月9日)までで第2回開催が終了。この時期の門別競馬場にとっては最大の難敵である濃霧に来襲されることもなく、無事にレースが行われている。

 2歳馬のJRA認定競走はここまで11レースが行われたが、ホッカイドウ競馬らしく早くも注目の血統馬が勝ち名乗りを挙げている。

 まずは開催初日に行われた高額賞金(1着300万円)のスーパーフレッシュチャレンジを7馬身差で圧勝したのがヨハネスボーイ(牡、桧森邦夫厩舎)。父がヨハネスブルグで、祖母がデュランダルの姉という血統だ。

 4月24日のフレッシュチャレンジを逃げ切って5馬身差の圧勝となったのはプリモジョーカー(牝、角川秀樹厩舎)。昨年、北海道2歳優駿を制し(着順誤認のあと1着に変更)、NARグランプリ2歳最優秀牡馬に選出されたイグナシオドーロの下で、父はスズカコーズウェイ。生産・馬主はおなじみのグランド牧場だ。

 5月8日のフレッシュチャレンジを1分1秒7(1000m・稍重)という好タイムで快勝したのがエンジェルパイロ(牝、角川秀樹厩舎)。父は馬名のとおりパイロ。母のエンジェルツイートは、2011年の平和賞(船橋)、東京2歳優駿牝馬(大井)を制し、NARグランプリ2歳最優秀牝馬に選出された。母の兄にはデビューから10連勝で兵庫ダービー(園田)や黒潮盃(大井)などを制し重賞10勝を挙げたオオエライジンがいるという血統だ。

 5月9日のフレッシュチャレンジでも、同じく父パイロのバブルガムダンサー(牝、角川秀樹厩舎)が2着に7馬身差をつける圧勝を見せた。母オノユウは2009年のエーデルワイス賞を武豊騎手で制している。

 好タイムは、5月9日のフレッシュチャレンジを勝ったコーラルツッキー(牝、田中淳司厩舎)で、1000m(稍重)1分0秒9で逃げ切った。父はシニスターミニスター。ピタリと2番手を追走したスティールペガサス(牡、角川秀樹厩舎)は4馬身離されたが、これはいかにも相手が強かった。こちらは父サウスヴィグラスで、祖母が2003年の浦和記念などダートで重賞8勝を挙げ、JBCクラシック(2002年・盛岡)でも2着など牡馬とも互角に戦ったプリエミネンスと血統的にも注目だ。

 新種牡馬の産駒も2頭がJRA認定競走を勝った。5月8日のアタックチャレンジを勝ったミステリーベルン(牝、小国博行厩舎)の父は、2012年のジャパンCダートを制したニホンピロアワーズ。5月9日のアタックチャレンジを勝ったトーケンマコット(牝、佐々木国明厩舎)の父は、2012、13年のCBC賞で2年連続レコード勝ちするなど芝の短距離で重賞3勝を挙げたマジンプロスパーだ。

 そしてここまでに行われたフレッシュ&アタックチャレンジ11レースで、角川秀樹厩舎が約半数の5勝と、今年も2歳戦での活躍は圧倒的だ。

 これらのJRA認定競走勝ち馬が次に出走できるのは、6月6日に予定されているJRA認定のウィナーズチャレンジ(1200m)。今週(5月15、16日)と来週(21、22日)の第3回開催でもさらに11レースのJRA認定競走が予定されており、今年もホッカイドウ競馬の2歳戦線は、早い時期からレベルの高い注目の争いとなりそうだ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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