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2つの育成牧場で管理されている注目の2歳馬(村本浩平)

  • 2019年05月14日(火) 18時00分

デビューに向け、能力の高さと成長スピードに期待


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 その「ドラフト直前・トレセン&牧場情報」では、毎回、赤本にも載っていないどころか、他誌のPOG媒体でもあまり出ていない2歳馬情報を執筆しているのだが、今回は是非とも取材に行きたかった、2つの育成牧場で管理されている2歳馬を紹介したい。

 まずはヤシ・レーシングランチ。八嶋雄太代表は武豊騎手に憧れて騎手を志すようになり、2度目の受験でJRA競馬学校に入学を果たす。同期生の中でも特に仲が良かったという丸田恭介騎手とは、今でも頻繁に連絡を取り合うほどに仲がいい。

 それでも、八嶋代表が騎手ではなく騎乗育成者としての道を目指したのは、受験前に学んだ馬術を通して、人馬一体となる「馬乗り」の仕事に興味が出てきたこと。そして、オーストラリアに渡って競馬場のトラックライダーとなった際に、騎乗しながら馬を育てていく喜びに目覚めたことも関係しているという。

 帰国後は様々な育成牧場だけでなく、ホッカイドウ競馬の厩務員も経験しながら、日高町にある白井牧場の敷地内に厩舎を借りる形で育成牧場を開業。その頃にバックアップをしてくれたのが、丸田騎手の所属厩舎の宗像調教師である。八嶋代表に期待も2歳馬について話を聞くと、まず、名前が挙がったのが宗像厩舎のゲームアルアル(牡)だった。

「産地馬体検査でもお話をしましたが、パワーとスピードを備えた高い能力を持っている馬です。まだ、心身共に幼さこそ残っていますが、近親にジェンティルドンナやドナウブルーがいる血統背景からしても、これからの更なる成長も見込めそうです。秋開催でのデビューを目標に乗り込んでいきます」(八嶋代表)

 育成馬にはディープインパクト産駒となる、イーデンズコーズウェイの17(牝)の姿もあった。

「父の産駒らしくゴムマリのような弾むフットワークができています。入厩時から馬体を60kgほど大きくして、現在は440kgと成長力も感じられます。この馬も秋ぐらいのデビューが目標になると思います」(八嶋代表)

 カペラSで3着となるなど、ダート短距離で活躍したシセイオウジ。その半妹となるブライアンズイブの17(牝、父ヴィクトワールピサ)もまた、ダート適性の高さを示している。

「兄弟馬はゆっくりとした成長曲線でしたが、この馬は仕上がりも進んでおり、順調そのものです。早めの移動も予定されており、デビューまでもそれほど時間はかからないと思いますが、古馬になってから更に良くなりそうな奥行きも感じられます」(八嶋代表)

 2つ目の育成牧場が、新冠町の日高軽種馬共同育成公社内で開業しているパッショーネ。西野城太郎代表はセイウンスカイの菊花賞を見て競馬に興味に持ち始めると、乗馬クラブで基礎を学んだ後に、そのセイウンスカイが育成されていた西山牧場育成センターで5年間に渡って勤務。その後はノーザンファームでも育成、そしてイヤリングの厩舎でもホースマンとしての経験を重ね、4年前にパッショーネを開業した。

 パッショーネならではの管理と言えるのは、充分過ぎるほどの乗り込み量。ハッキングキャンターの距離は、なんと1万Mを超える日もあるという。

「ハッキングキャンターをじっくりと乗ってくれるとのことで、開業当初から管理馬を預けていただいているのが八木良司オーナーです。牧場にとって最初の世代となるタガノヴェローナは秋華賞にも出走してくれましたし、本当に感謝しかありません」

 そう話す西野代表は地元の生産者とも交流が深く、その縁もあって管理することになったコーラルツッキー(牝、田中淳)は、先日行われたホッカイドウ競馬のフレッシュチャレンジ競走を優勝している。今後はホッカイドウ競馬の2歳重賞を沸かせてくれる存在ともなりそうだ。

 そのコーラルツッキーのように、新馬戦から勝ち負けのレースが期待できそうなのが、アレキパの17(牡、父ケイムホーム)である。
 
「牧場に来られた地方の騎手の方に騎乗してもらったところ、『すぐに新馬戦を勝てる』ほどの手応えがあったと話していました。坂路を登り切っても、まだ余力が感じられるほどの身体能力の高さもあります」(西野代表)

 パッショーネとの相性がいいのか、育成馬が全て勝ち上がっているという寺島厩舎。その管理馬の中ではグレイトハンター(牡)の名前を挙げてくれた。

「サマープレミアムセールの取引馬となります。産まれが遅い(6月10日)のですが、順調に乗り込めていますし、ダートで確実に勝ち上がってくれそうです。夏にゲート試験を受けて、デビューは秋になるかと思います」(西野代表)

 八木オーナーから任せていただいた馬の中でも、血統面を含めて期待が大きい馬です、と西野代表が話すのが、ロードカナロア産駒で、近親にはジャスタウェイの名前もあるタガノオボロ(牝)だった。

「身体能力の高さは、さすがこの血統馬だと思わされます。スピードもかなりなものですね。前向き過ぎる気性面が、競馬に向いてくれば、更にいい走りができそうです」(西野代表)

 と、ここまでヤシ・レーシングランチ、パッショーネの育成馬6頭を紹介。他にマル秘情報となりそうな両牧場の2歳馬と、自分が今年のドラフトで指名するならこの馬!と思いながらまとめた「赤本ライター厳選・ドラフト一夜漬けリスト」は「チョイ足し追加コンテンツ」に掲載!続きはWebで!ならぬ、5月17日はコンビニのマルチコピー機でご購入(しつこいようですが、なんと100円!)をお願いします!

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