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【ユーザー質問】ゲートが開かずカンパイに「なぜ騎手が制裁を受けるの?」

  • 2019年05月14日(火) 18時01分
太論

▲スポニチのコラム終了に肩を落とす小牧騎手


3月の高知競馬で1頭だけゲートが開かずカンパイになり、ジョッキーが戒告処分を受けました。このケースについて、ユーザーから「なぜ騎手が制裁を受けるのかわからない」という質問が。小牧騎手にその映像を観てもらったところ、即座に「ああ、なるほどね」と状況を把握。今回の『太論』では、カンパイをテーマにゲートの仕組みに迫ります。(取材・文:不破由妃子)



スポニチのコラム終了は寂しいけど…僕には『太論』があるから


──高知競馬で起きたカンパイについて、こんな質問がきていました。「いつも楽しみにしています。3月に高知競馬でカンパイがありました。なぜジョッキーが制裁(戒告)を受けたのかがよくわかりません。詳しくわかりやすく教えていただけるとうれしいです」。

小牧 どういう状況かによるけどね。いろいろなパターンがあるから。ジョッキーが仕掛けて突進したなら制裁対象になるけど、そういうケースばかりじゃないし。カンパイってなかなかないけど、僕はドバイで経験したからね。

──ありましたね(2012年ドバイゴールドC・マカニビスティー10着)。しかも小牧さんのケースでは、けっこう走ってしまったあとにカンパイに気付いたんですよね。

小牧 そう、3コーナーまで走ってからカンパイに気付いた。僕が経験したカンパイは、故障した馬を馬場から出せなかったケースやね。

──そうでしたね。ではさっそくですが、高知のケースを観ていただいて…(3月10日・高知6R・キンメ鯛の煮こごり特別)。1頭だけゲートが開かなかったんです。

小牧 (映像を観ながら)あぁ、ゲートに鼻面をだいぶ付けてるね。鼻面をずっと当てているから、ゲートが開かなかったんでしょう。これはジョッキーが悪いね。

──鼻面を付けていると、ゲートが開かないんですか?

小牧 あまりにもグイグイ鼻面を当てていると、開かんときもあると思う。機械が変に反応してしまってね。ジョッキーならみんなわかっているはずやから、その前に鼻面を離すとか顔を横に向けるとかして姿勢を正さなアカン。だから、言ってしまえば機械の故障なんやけど、それを防ごうとしなかったから騎手に制裁がきたんでしょう。もちろん、姿勢を正そうとしたけどどうしてもできなかったケースもあると思うけどね。

──なるほど。小牧さんも経験がありますか?

小牧 僕はない。でも、確かにこのケースはファンにはわかりづらいよね。機械が開かなかっただけなのに、なんで騎手が制裁を受けるの?って。僕らが見たら、「ああ、なるほどね」ってすぐにわかるけど。

──ちなみに、高知競馬では1月にもカンパイがありました(1月23日・高知11R・天狗高原特別)。せっかくですので、このケースも観ていただけますか? こちらは開かなかったのではなく、フライングのケースです。

小牧 (映像を観ながら)ああ、これは開けたんやわ、先にね。要するに突進ですわ。仕掛けて自分で強引に開けてしまったんやね。鼻面をずっと当てていたら開かないのとは逆に、突進した場合は、ケガをしないように開くようになってるから。

──そうなんですね。このケースでジョッキーが制裁を受けるのはわかります。

小牧 うん、先に開けてるもんね。中央でもゲート入りのとき、たまに突進して開いてますやん。ただ、高知のように、みんながゲートに入ってからはないね。だから当然カンパイもないし。

──なるほど、ゲートの仕組みがよくわかりました。話は変わりますが、スポニチのコラム『小牧太の金言珍言!』が3月の4週目で終わってしまったんですね。何人かのユーザーから「寂しい…」というメッセージがきていました。

小牧 そうやねん。僕も寂しいわ。カミノコで勝ったとき、ウィナーズサークルでもファンに散々「なんで〜!!!」って言われたわ。でもまぁ、何にでも終わりはあるし、リニューアルだから仕方ない。週に一度の写真付きのコラムだったから、けっこう大変やったで。毎週毎週、そんなに面白いネタがあるはずもなく(笑)。どこに行ってもいつも気にして写真を撮っていたから、やり甲斐はあったけどね。

──カミノコで勝ったときのウィナーズサークルの様子が最終回に載っていましたね。

小牧 そうそう。ちょうどコラムを担当してくれている菱田さんが写真を撮ってくれていてね。僕が「この人、スポニチの記者ですよ」って言うたら、みんなが一斉に「なんで終わっちゃうんですかー!」って言い出して。散々ファンに文句言われとったわ(笑)。

──菱田さん、タジタジだったでしょうね(苦笑)。

小牧 うん。そういえばこの前、豊くんにも「コラム、終わっちゃったんですね」って言われたわ。どうも(夫人の)量子さんが毎週楽しみにしてくれていたみたいでね。まぁ惜しまれつつ…ということで(笑)。寂しい気持ちはあるけど、僕には『太論』があるからね。

太論

毎週毎週、そんなに面白いネタがあるはずもなくけっこう大変やったで(笑)

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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