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【ヴィクトリアM】“豪の天才”はルメール似!? 馬に連動したお手本騎乗を徹底分析!

  • 2019年05月16日(木) 18時03分
哲三の眼

▲初来日でいきなりGI制覇と大活躍! レーン騎手の凄さとは…(撮影:下野雄規)


4月末の来日初週から勝ち星を量産し、早くもヴィクトリアマイルでGI制覇を果たしたダミアン・レーン騎手。レース後騎乗したノームコアが故障してしまったことは残念ですが、彼の騎乗は、常々哲三氏が主張し好んできた“馬の邪魔をせず負担をかけない”シンプルなものだと絶賛。これまで来日した豪州のジョッキーとはいずれも異なるタイプで、フォームは違えど馬への扱い方をみるとルメール騎手に通ずるものが! 日本人騎手への良い刺激にもなるという若き天才の騎乗ぶりを徹底分析します。(構成:赤見千尋)

レース中の写真を見ただけで伝わる卓越さ


 今週振り返るレースはヴィクトリアマイル。5番人気だったノームコアがレコードタイムで勝ちました。故障してしまったことはとても残念ですが、素晴らしい走りを見せてくれましたね。騎乗したダミアン・レーン騎手は初来日でいきなりのGI勝ち。重賞も2勝して大活躍しています。

■5月12日 東京11R(4番:ノームコア)

 栗東の坂路の追い切りを見た時に、馬にロスになることが少なくなる乗り方しているな、と感じました。ロスのない乗り方というのは人それぞれ解釈が違うと思いますが、僕がいつも言っている“1歩1歩を大事にする”という意味合いで、ロスが少ない分いろいろな部分で得をしているなと。

 大雑把な言い方ですが、例えば前に出る時一気にスピードアップしないんです。一気にスピードアップすると見た目は派手ですが、どうしても馬には負担が掛かってしまいます。そして、抑える時も人より抑え過ぎていない。馬の走りで高速、低速、中間速があるとしたら、僕は中間速を大事にしていたんですが、その中間速で勝負出来るジョッキーだなというイメージで。

 一度乗せたスピードを減速せずにずっと持っていけるというか、それをただフワ〜っと乗るのではなくて、しっかり上でコントロール出来ている。

 VTRだけではなくて、レース中の写真を

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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