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全馬が初めての距離を経験する特殊なレース!!/オークス

  • 2019年05月16日(木) 19時00分
 こんにちは、むねひろ よしたかです。

 平成最後の『KEIBAコンシェルジュ』に出演した際に、平成を振り返って深く印象に残った3つのレースを紹介しました。

 3つに絞るのは大変でした。また、テレビ本番では時間が限られていて喋り足りなかったので、個人的に心を動かされたレースを第10位までを挙げたいと思います。オルフェーヴルの阪神大賞典なども該当する価値はあるのですが、勝った馬だけを対象にしました。皆さんはいかがでしょうか!?

1、サイレンススズカ(金鯱賞:後続に付けた1.8秒の着差が兎に角インパクト大!4コーナーを回った際には既に勝負は付いていた。宝塚記念のPRに阪急電車車内の中刷り広告に2枚を使ってその着差の凄さを表現されていた!)
2、ハーツクライ(ドバイシーマクラシック:ダービーでは4コーナー17番手だったド追い込み馬が、ルメール騎手を背中にして有馬記念では先行してディープインパクトを破り、そしてこのレースでは何と逃げ切ってしまった。あまりにも鮮やかな脚質転換と、外国人騎手の恐ろしさに驚いた!)
3、アーモンドアイ(ジャパンC:2:20.6というレコードを見た時に、ただただ驚愕し震えた!令和でも伝説の続きが見られるのかどうか!?)
4、クロフネ(ジャパンCダート:4コーナーでは既に先頭に立ち、そのまま後続にグングン差を付けると、1.1秒差の圧勝。勝ちっ振りの鮮やかさに痺れた!)
5、ディープインパクト(天皇賞(春):前半は最後方から2頭目。2周目向正面でグンと上がっていって4コーナー手前で既に先頭。そのレース振りはゲームレベルの常識外れのものに度肝を抜かれた!)
6、ダイワスカーレット(有馬記念:完全に軽い芝がベストの馬が、中山二五の有馬記念を押し切ってしまった。適性の差を凌駕する能力の高さに脱帽!)
7、オジュウチョウサン(2018年の中山グランドJ:後続に2.4秒差を付けてのレコード4:43.0!そして特筆すべきは自身がマークした上がり36.9秒の凄さ!史上初の同一GI4連覇を含む6勝。アップトゥデイトとの死闘を演じた2017年中山大障害も歴史に残る好レースに!)
8、ウオッカ(日本ダービー:牝馬が64年振りにダービー馬に!その後、この東京コースで安田記念(2回)・天皇賞(秋)・ヴィクトリアマイル・ジャパンCと計6勝のGI勝ち。コース適性を考えての陣営のローテーションは素晴らしいものだった!)
9、ヴィクトワールピサ(ドバイワールドC:ダートではないタペタ使用の馬場レベルでの実績には物議を醸すも、日本馬がこのレースを勝つ日が来るとはという驚きはあった!また、出遅れながら向正面で仕掛けたM.デムーロ騎手の手綱捌きも凄いものだった!!)
10、グラスワンダー(京王杯スプリングC:二五の有馬記念を勝った後の年明け緒戦。千四の距離で他馬より重い58キロを背負いながら、調教の様に楽に勝ってしまった!まさに性能の違いを見せつけたレース!グランプリ3連覇は凄い実績!)


◆オークス
ターゲット馬→クロノジェネシス

(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 阪神千六のGIで『2』・『3』着。阪神ジュベナイルフィリーズではスタートで出遅れ4コーナー17番手という悪い位置取りから、0.1秒差・『2』着まで差を詰めました。桜花賞では着順こそ『3』着と下がっていますが、負けていたダノンファンタジーには逆転。向正面では2度他馬とブツかる不利があり、また直線で外から抑えられる厳しい形になりながらも最後までしっかりと脚を使っていました。自身は1.1秒短縮させての1:33.1と早い時計で走破しており、何ら悲観するような内容ではありません。

 今回の東京はアイビーSで上がり32.5秒という素晴らしい切れ味を見せつけ、またクイーンCではビーチサンバに2走連続先着しての重賞初制覇。2戦2勝と負けていません。軽い芝の方がより切れますし、この実績は大きなアピール材料となります。距離に関してもマイルよりも長い方が合っていることは確か。一気に二四まで延びるのがどうかという心配はありますが、折り合い面に不安のある馬ではありません。

ターゲット馬→コントラチェック

(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 菜の花賞→フラワーCと連続して快勝。後続に0.5・0.4秒と小さくない着差を付けています。菜の花賞は、テン3ハロンが34.6秒・5ハロンが58.3秒という速い流れを自ら作り出して1:33.8。1週前のフェアリーSよりも2.2秒も早い優秀な走破時計で駆けました。フラワーCは36.6・60.5秒と一転して遅くなりましたが、抑えが利くという面も示したと言えます。

 3走前のサフラン賞では上がり33.8秒とメンバー中最速の上がりを使いながら僅かクビ差とはいえ『2』着と敗れているように、瞬発力よりも持続力に秀でているタイプです。距離が二四に延びることによって、その良さが更に出る可能性は十分あります。桜花賞をパスしてこのオークス一本を狙ってきたことによってローテーションに余裕が出ただけに、調整面のアドバンテージがあります。この距離になってもスピードは脅威です。

 これまでの3勝全てが逃げ切り勝ち。行き切る形がベストに映るだけに、今回はハナに拘る同型のジョディーの出方が鍵となります。控える競馬でも自分のペースで運べれば。

ターゲット馬→ラヴズオンリーユー

(c)netkeiba.com

 新馬戦は京都千八で、1000m通過タイムが64.2秒のSペース。瞬発力勝負の流れを、上がり33.9秒で差し切りました。馬群を捌いて内目を突いてきたレース振りからも器用さが窺えます。2走目の白菊賞は、千六への距離短縮。同じ京都でも直線の短い内回りコースに替わることと共に懸念材料でした。事実、1000m通過が58.4秒という緒戦よりも5.8秒も速い一変したペースを経験させられました。一般の馬なら対応することは出来ません。それほど大きな落差でした。しかし、4コーナーで仕掛けられて直線で外に切り替えると、他馬とは違う脚勢で差し切り。

 走破時計(1.33.6)上がりタイム(33.9秒)も優秀です。そして続く前走の忘れな草賞は、フレグモーネのために桜花賞に間に合わず中4ヶ月半の一戦となりましたが、折り合いを欠くシーンがありながらも結果は楽勝。『いずれも全力を出し切ったとは思えない。心肺機能の数値は高い』という陣営のコメントからも能力の高さが窺い知れます。二四の距離に延びての折り合い面の心配はありますが、勝ちっ振りの良さからは十分こなせるでしょう。あとは、初めてとなる関東圏への長距離輸送をこなせば。

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日本屈指の理論派で、高配当馬券に注目する“競馬穴リスト”。馬場レベルを基本とする『激走レンジ<range>』を駆使するのは既に有名だが、『馬券の買い方』についてもこれまで世になかったメカニズムを発表し、第一人者となる。グリーンチャンネル『KEIBAコンシェルジュ』でも活躍中。主な著書に『同じ予想でプラスになる人、ならない人』など。
公式ホームページ名は『ムネヒロネット』。

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