スマートフォン版へ

堅かった皐月賞とダービーへの繋がり

  • 2019年05月21日(火) 12時00分

皐月上位が全滅は考えにくい、穴馬を買うならヒモで


 オークス前に、「桜花賞組は最低1頭絡む」という話をテレビでした。実際、オークスが春に行なわれるようになった1953年以降で、桜花賞出走馬(オークスとの間にトライアル等に出走した馬も含む)が全く絡まなかったオークスは1974年のトウコウエルザ、スピードシンザン、メジロフクシマだけではないかと思う。

 ただ、09〜18年のオークスにおける桜花賞出走馬は[8-5-5-62]で、馬券に絡んだ馬の6割だった(そして19年は1頭のみ)。それに比べると皐月賞出走馬の東京優駿成績は[9-7-5-77]で、馬券に絡んだ馬の7割と桜花賞より高い。

 これが「前走皐月賞組」(間に1走挟んだ馬を除く)とすると[9-7-4-65]。これを前走着順別成績と前走人気順別成績で見ると、前走人気順別成績のほうが前走の序列とダービーでの成績が繋がる傾向が高い。

 高いと言っても少しの話だが、分かりやすいように比較すると、前走6着以下からダービーで馬券に絡んだ馬は過去10年で6頭。前走6番人気以下からだとそれより少ない3頭。逆に前走1〜3着からは11頭、前走1〜3番人気からは14頭だ。

 前走人気はあくまで前走の前評判、前走着順は競走した結果だから、本来なら後者のほうがダービーでの着順にも繋がるはずだ。しかし実際には逆になっている。

 これは皐月賞がダービーと違う適性を要求するレースになって荒れた場合、両者で好走馬が共通しない結果になるためではないかと思う。皐月賞1〜3着馬が全滅だった17年が典型だ。

 一方今年の皐月賞は、1〜4着馬が1,4,3,2番人気と堅かった。このような年のダービーは、皐月賞上位馬が来やすいのではないだろうか。皐月賞5番人気以内かつ5着以下だった馬はダービーで[6-4-1-18]の複勝率37.9%。3番人気以内かつ3着以内だと[3-3-1-7]で複勝率50%。前者には皐月賞1〜3着馬すべてが、後者にはサートゥルナーリアとダノンキングリーがあてはまる。これらが全滅というのはなかなか考えがたい。

 例えば人気薄でぜひ買いたい穴馬を持っている場合でも、軸の穴馬→皐月賞上位の人気馬(1〜3頭)→(点数を何点にしたいかに応じてヒモ)という3連複フォーメーションを検討するのが良いのではと思う。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング