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敵は他馬というよりは自分自身!今年のダービーは堅い!?

  • 2019年05月24日(金) 18時00分

どんなに強い馬でも絶対はないが…


 サートゥルナーリアの二冠成るか、待ったをかける馬がいるかの日本ダービー。皆さんはもう本命馬が決まっているだろうか。

 サートゥルナーリアは4戦4勝。レース内容や調教を見るとついこの馬は負かせないという気分になってしまうが、どんなに強い馬でも100%勝てるわけではないのが競馬だ。

 レーン騎手への乗り替わりも、大きなマイナスではないにせよルメール騎手のままよりはリスク要因だろうし、距離も2400mよりは2000mのほうが安心感はある。

 そう考えると、敵は他馬というよりは自分自身だろう。あとは馬場と展開。週中の雨がどの程度影響するかだが、良馬場高速決着だと、ある程度良い位置で受けている馬のほうが有利。皐月賞よりさらに道中位置を下げることは避けたい。

 道中位置ということだと、ヴェロックスは鞍上のタイプからもある程度位置を取ってくるはず。サートゥルナーリアを待って仕掛けると勝てないだろうが、先に仕掛けてサートゥルナーリアが進路確保に苦しんだ場合などは逆転があってもおかしくない。

 ダノンキングリーはどんな競馬をしてくるか、正直分からない。決め手もかなりある馬で、瞬発力勝負を試す価値もありそう。共同通信杯は例年だと持続力タイプが好走して「荒れる場合の皐月賞」に繋がりやすいが、今年は上がり勝負で、残り3Fが加速ラップだった「堅い皐月賞」に繋がった。その経緯を考えると、この馬としては上がり偏重のダービーになってほしいところだろう。

 クラージュゲリエも決め手勝負をしたいタイプだが、皐月賞で負けている以上、前述の3頭をひっくり返すのはかなり難しい。皐月賞の大敗組からなにかを拾うとしたらアドマイヤジャスタか。皐月賞はあの位置からあの上がりでは届くわけがない。今回スタミナ色の強いレースになって上がりがかかれば、浮上の可能性がある。無理に選ぶならサトノルークスも似た立場か。

 青葉賞勝ちのリオンリオンはやはり乗り替わりが痛い。横山武史騎手が悪いというのではなく、横山典弘騎手が当代きっての逃げ名人だからだ。しかしこの馬がハナを切る可能性はかなり高いわけで、ダービーの結果を左右する大事な立場であることに変わりはない。

 青葉賞組だと2着だったランフォザローゼスは複穴としてマークしておきたい。東京芝2400mで侮ってはいけない血統だ。

 上がりがかかった場合に浮上の可能性があるかもしれないのがレッドジェニアル。ただ、上位勢を逆転できるとする根拠は見出しづらい。今年のダービーは基本的に堅いのではないかと見ている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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