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世界的スプリンターの血が勝負を分けるダービー

  • 2019年05月24日(金) 19時40分

スピード型の牝系が今の馬場では強調材料に


 過去10年のダービー馬の父系はサンデーサイレンス系とキングマンボ系を持つ馬のみ。過去3年の1-3着馬もすべて父系はサンデー系かキングマンボ系。

 もちろん、出走馬のほとんどが該当するので、ポイントは「スプリントの名血」を補うことになります。

 去年の勝ち馬ワグネリアンは祖母ブロードアピールが「芝1200m重賞」勝ち馬。2着エポカドーロも母ダイワパッションは芝1200m重賞勝ち馬。同馬の母父のフォーティナイナー。同系統の種牡馬は、過去5年のJRAスプリントG1勝ち馬の50%以上を占める系統。日本の芝スプリント戦(1200m)ではサンデー、キングマンボ以上に実績を残す系統。

 一昨年の勝ち馬レイデオロも父がキングカメハメハ。祖母レディブロンドは芝1200mで5連勝。祖母の父シーキングザゴールドはスプリンターズSで産駒が1、2着を独占したこともあるスプリントの名血。

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 また、先週の同コースで行われたオークスは、1、2着馬がディープインパクト産駒。そして母父はいずれもストームキャット系。牝系は米国牝系。ストームキャットもスプリント戦やダッシュ力勝負への適性が高い世界的名血。

 サートゥルナーリアは父がロードカナロア。アーモンドアイの父でもあり、キングマンボ系。

 ロードカナロアは世界的名スプリンターで母父がストームキャット。初年度産駒が中距離に出走する前に書いた単行本「血統の教科書」でも「ロードカナロアは母系と育成で中距離馬が出る」と書いたように、ロードカナロア産駒は母系が日本の芝中長距離G1に実績があれば、軽い馬場の東京芝2400m適性に優れた産駒は出せる。アーモンドアイの母フサイチパンドラはサンデー産駒で自身も芝2200mG1勝ち馬だった。

 サートゥルナーリアも母父はダービー馬スペシャルウィーク。母は日米オークス馬のシーザリオ。スプリント適性に優れた父にダービー馬とオークス馬を合わせた配合。アーモンドアイに続いて、これからのクラシックで主流になるであろう配合パターンの馬。

 ダノンキングリーは父がディープインパクト。母父がストームキャット。先にも述べたように、先週のオークスもディープ×ストームキャット系の1,2着。第80回のダービーを勝ったキズナも父ディープインパクトで母父がストームキャット。

 母母父のオーナーアンドグローリーはインリアリティ系。JRAの1000mでレコードを持つカルストンライトオと同系。同じ父と母父のキズナよりもダノンキングリーのほうがさらにスプリント指向の強い血統。今の馬場はキズナの勝った当時のダービーよりもさらにスピードが要求される。キズナ以上にスピード型の牝系であるのは、今の馬場では強調材料にすらなる。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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