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春の府中GIもラスト!「2強」に割って入る馬は?安田記念の追い切りチェック!

  • 2019年05月29日(水) 18時00分

しっかりと時計を出してきた各陣営


 先週の日本ダービー。本命はいろいろと迷いながら、結局は◎サートゥルナーリア。大本命の大人気馬でしたが、パドック周回の前半時の様子では全く後悔することはありませんでした。後半、少し気になる様子がありましたが、それでも大丈夫だろうという感じ。ただ、ゲートでは全頭が収まった瞬間に上がった歓声に暴れてしまい、そのタイミングがゲートオープンという最悪の結果でした。

 パドックは現場で見ましたが、相当に暑い状況。周回時間も長かったので、それに嫌気をさしたのかなと思いますが、それは結果論。もともとサートゥル軽視だった方からすれば「騒ぐほど強くなかった」と思われるでしょうが、きっとその通りなのでしょう。

 やっぱり競馬は難しい、ではいけないと思いますが、こういった反省も踏まえつつ、次へ進んでいかないといけません。今週の安田記念は大本命と大対抗という2強対決。ここに割って入ることができる馬がいるのかどうか。しっかりと見極めていきたいと思います。

【鳴尾記念/タニノフランケル】

 2週前追い切り、1週前追い切りはサートゥルナーリアが併せ馬のパートナーだったこともあり、動きとしては見劣っていましたが、そこで得るものは多かったというのが個人的な印象。というのも、もともと併せ馬では遅れることがあるタイプで、だからこそハナに立った方が結果が出るのでしょう。それをあえて、GI馬と併せて追い抜かれることで、いろんなことが我慢できたと思います。

 結果的に最終追い切りは坂路で2F24.4秒。4F目12.1秒で最速ラップを踏んでいるように、4F52.6秒という、この馬にとっては速い全体時計でも最後まで集中して走ることができたというメリットがありました。どうしてもハナに行きたい馬がいたら譲ればよいだけで、この馬のリズムで競馬をすれば、自然と結果が出るはずです。

タニノフランケル

好内容の追い切りをレースに繋げたいタニノフランケル(5月28日撮影)


【安田記念/ダノンプレミアム】

 金鯱賞を使う前に比べて、落ち着きが出たマイラーズC。でも最終追い切りでの動きを見ると、少し折り合いに心配があるような気がしましたが、それが杞憂に終わったレース結果でした。しかし、もっと落ち着きが出たのがこの中間。普段の調教から行きたがったり、煩くしたりする部分が見られません。

 だからといって、スピードが乗らないというわけではありません。1週前追い切りは素晴らしい動きでしたし、全体時計CW6F91.9秒とかなり遅い時計でしたが、ラスト1Fは11.9秒で鋭い伸び。ゴール手前50mほどでの加速力はさすがと唸ってしまうくらい。もうやる必要はない、それを示す内容だと思うので、時計に気にすることはありません。

ダノンプレミアム

ラストは文句なしのスピードを見せたダノンプレミアム


【安田記念/インディチャンプ】

 前走については「1週前も最終追い切りも時計が遅くなって、それが影響したプラスの馬体重」と振り返る音無秀孝調教師。そんなこともあり「次はしっかりと時計を出していく」と宣言していますが、その言葉通り、1週前が坂路4F51.0秒、そして最終追い切りも4F51.6秒という坂路での動きでした。

 見た目の馬体に関しては、今でちょうどいい感じ。あとは逆に体が減りすぎて、レース当日にスタミナを消耗するようなことなければと思います。これは杞憂に終わるかも知れませんが、予想的な部分で判断すると、初めての58キロはやはり応える可能性がありそうです。

インディチャンプ

斤量が鍵となりそうなインディチャンプ


【安田記念/ペルシアンナイト】

 結論から記してしまえば、今年は金鯱賞時の調教内容がベストだったと思います。それは前走で初めて二桁着順に負けてしまったことに関係していると思いますから、今回はどんな風に巻き返してくるかと注目しています。

 内容としては、3週連続して、CWで6Fから時計を出す。これは金鯱賞と同じです。最終追い切りにM.デムーロ騎手が跨るのも同じ。時計的な部分では6F84.0秒ですから、これもほぼ同じといってよいでしょう。併せ馬を内から追走して、最後は並びかけて同入、ただ、この動きは迫力に欠けているように思います。ここについてはあくまで印象的なものなので、客観的には巻き返しても不思議ない調教内容にはなっています。

ペルシアンナイト

金鯱賞の時よりもやや見劣る印象のペルシアンナイト


【安田記念/モズアスコット】

 前走は好走実績がある490キロ台とはいえ、496キロですから、やっぱり重目が残っていたと思います。調教内容も少し軽かったので、ここはひと叩きのマイラーズCという捉え方で問題ないと思います。

 それに比べると、今回はかなりハードな攻め内容。特に最終追い切りでは4F49.6秒ですから、これは自己ベストを更新しています。しかも4F目が最も速くなるラップ。これを見せつけられると、当然食指が動くところですが、本来は京王杯SCを使いたかった馬。その分だけ、調教を強く課してきたという判断もできますし、そうするとこの内容を妥当に評価すべきなのかどうか。ちょっと予想入稿まで判断を迷わせてください。

モズアスコット

自己ベストの加速ラップで強めに追われたモズアスコット


◆次走要注意

・5/26 日本ダービー【リオンリオン】(6人15着)

 出遅れ気味なのに追っ付けてハナを主張。オーバーペースは間違いないと思いますが、このレースぶりで、この馬が出走する時は絶対にハナに行くという印象を植え付けることはできたと思います。これが実りの秋へと繋がる気がします。

[メモ登録用コメント] [菊花賞]最終追い切りで併せ先行先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【リアアメリア】

 ここに取り上げるまでもなく、すでに評判に上がっている馬ですが、最終追い切りはCW。馬の混雑した時間帯でしたが、自分をしっかりと持ちながら走ることができていましたし、競馬のようになったゴール前ではきっちり伸びています。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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