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【日本ダービー】ダービー制覇はあくまでも“通過点” 苦悩を昇華させた浜中騎手

  • 2019年05月30日(木) 18時01分
哲三の眼

▲今年の日本ダービーは、12番人気のロジャーバローズが大金星を挙げました。波乱の立役者となった浜中騎手はレース後、「頭が真っ白で、勝ったかわからなかった」とコメントしていましたが、決して展開や流れが向いただけではダービーは勝てません。道中の分析をはじめ、更なる飛躍へ期待を込めた哲三氏らしいメッセージとともにダービーを回顧します。(構成:赤見千尋)


最大の勝因となった“ゲートの1歩目”


 今年の日本ダービーは12番人気のロジャーバローズが2番手から粘り込んで勝利。馬場状態が良かった、展開が向いたという面もあったけれど、浜中(俊)君の好騎乗が光りましたね。

■5月26日 東京11R(1番:ロジャーバローズ)

 僕が一番の勝因だったと感じるのは、ゲートの1歩目です。スタートに関しては、他の馬よりも速く出たら好スタートだと感じるかもしれませんが、実際はそこよりも、馬の態勢が整っているかどうかの方が大事。

 馬の態勢が整った状態で一歩目を出すことが出来れば、そのまますぐにスピードに乗せやすいですし、折り合いを付けやすい、ハミを抜きたい時に抜きやすいなど、次の操作がしやすくなります。たとえ他の馬よりも速く1歩目を出したとしても、態勢が崩れていればそこを立て直すアプローチが必要で、スムーズにスピードに乗れなくなります。

 理想を言えば、他の馬よりも速く、馬の態勢が整った状態で1歩目を出す、ということになりますが、みなさんご存知の通り、これは簡単なことではありません。しかし今回浜中君は、

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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