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馬上結婚式の参加カップル募集

  • 2019年06月05日(水) 18時00分

夏の日高で一生の思い出を演出


 今年も来る7月27日、28日の土日2日間にわたり、浦河町のJRA日高育成牧場内特設会場にて「うらかわ馬フェスタ2019」が開催される。

 従来、このイベントは「シンザンフェスティバル」と「浦河競馬祭」が合体し、この名称となったが、今年度より「浦河競馬祭」が休止のやむなきに至り、1周1600mのダートコースを使ってのレースは、ジョッキーベイビーズ北海道予選(午前と午後、予選と決勝に分割し計3レース)が行なわれるのみとなった。伝統ある草競馬が休止に追い込まれてしまったのは何とも残念な出来事ではあるが、これも時代の趨勢なのかも知れない。

 しかし、シンザンフェスティバルの方は土日両日にわたり、とことん馬にこだわった様々なメニューを用意し準備が進められている。

 そこで今回は、27日土曜日のメイン行事である「サラブレッド馬上結婚式」のカップルを広く募集させて頂きたい。今年34回目となるシンザンフェスティバルでは、初日の目玉として、第1回より欠かさずフレッシュなカップルを招待し、会場で馬上結婚式を挙行してきた。

 対象は近日中に結婚予定のあるカップル、もしくは最近結婚式を挙げたカップルで、全国に向けて一般公募し、申し込みのあったカップルを選考委員会にて審査し、当日、当町まで来て頂き、会場に詰めかけた数多くの方々の眼前で結婚式を挙げて頂こうというもの。

 会場へは儀仗馬車で入場して頂く。JRA日高育成牧場の全面協力、後援の下、先導馬を導かれ、儀仗馬車に乗ったカップルが祝福の声に応えながら会場をぐるりと一周し入場してくる光景は、いつ見ても絵になる。

生産地便り

馬上結婚式、儀仗馬者で入場する高良夫妻

 カップルにとっては一生の記念と思い出になることは間違いなく、馬好き、競馬好きであればなおのこと、夏の爽やかな気候の下で、これ以上ないような美しくも感動的な場面が現出する。

 ちなみに馬車は、日高育成牧場内の格納庫に大切に保管されているレアな代物で、地元に住む私たちも実際に目にするのは毎年この時だけである。それに先導の騎馬隊が付き、徐々にあたりが薄暗くなってきた黄昏時に馬車に揺られてカップルが入場するのである。

生産地便り

馬上結婚式、笑顔が印象的な辻夫妻

 馬車を降りたカップルは、舞台上にてフェスティバル実行委員会からの結婚認定証、記念品などが贈呈され、指輪交換を行い、最後は2組のカップルによる「愛のトーチ」点火で幕を閉じる。

 もちろん、これら馬上結婚式に関わる費用はシンザンフェスティバル実行委員会で負担する。交通費として、道外の方ならばお2人で10万円、道内の方ならば実費相当分を実行委員会が持つ。さらに、当日の宿泊費、衣装代なども実行委員会で負担する。要するにカップルには、なるべくお金をかけずに結婚式を挙げて頂くことがこのイベントの狙いだ。

 平成初期の、いわゆる「競馬ブーム」と言われた時代には、毎年数多くの応募が寄せられていた。そのため、選考委員会も2組の当選カップルを選ぶのに大変苦慮したものだが、近年は、その数が徐々に減少してきており、実際のところここ数年は当選率がかなり高くなっている。

 応募資格は、概ね次の通り。1、近々、結婚する予定、あるいは結婚して間もないこと。2、妊娠していないこと(儀仗馬車に乗り込むので、万が一のことが発生しないように、との配慮である)。3、馬、もしくは競馬にご理解のある方。原則的に年齢は問わない。

 浦河町は周知の通り、全国に知られたサラブレッドの生産地であり、当地で生まれた「5冠馬シンザン」の名前を冠したシンザンフェスティバルは「馬にこだわった」イベントとして開催される。サラブレッド馬上結婚式のカップルも競馬ファンや乗馬愛好者であれば言うことなしだ。

 以下、募集要項を記す。
(1)お申し込みは郵送。氏名(ふりがな)、住所、年齢、職業、電話番号、プロフィール、応募理由(お2人の馴れ初めや馬、競馬とのエピソードなど)を明記した上で写真(全身の写っているものが望ましい)を添えて申し込むこと。必要事項の書式は自由。
(2)応募先 057-0036北海道浦河郡浦河町築地1-3-1 浦河町役場内
シンザンフェスティバル実行委員会「馬上結婚式」係あて。問い合わせは電話0146-22-9016(直通)、担当・小原、眞田(さなだ)
(3)応募の締め切り 6月19日(水)必着

 余談ながら、当選を掴み取るために二三、アドバイスさせて頂くと、まず、できるだけフレッシュな男女であること。今の時代、結婚適齢期はあってないようなものだが、年齢差が大きかったり、熟年同士の再婚カップルよりは若い世代のカップルの方が有利であるのは間違いない。

 もう一点。応募理由にはできるだけ「馬、競馬への思いを熱く記す」のがポイントだ。

 また入籍してから間もないことや、様々な理由(例えば経済的に難しいというような)で結婚式を挙げる予定がない、というカップルであれば注目度が上る。「それならば、ここで何とか結婚式を挙げて頂こう」と選考委員会が考えてくれたら確立は大幅に上昇する。

 近々、結婚(入籍)を考えている競馬ファンのカップルはぜひご検討頂きたい。今日現在で応募数はまだ一桁だ。揮ってご応募頂けたら幸いである。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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