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昨年までの4歳馬とは戦っていたクラスが異なる点には留意したい/多摩川ステークス

  • 2019年06月07日(金) 18時00分

ハンデ条件戦にランクや実績はさして重要ではないが…


 先週の東西で初登場の3勝クラスは、東京の麦秋Sが「4歳=4歳」、阪神のグリーンSが「4歳=5歳」の決着。目下上昇一途の4歳馬の好走だった。このレースにも若い4歳馬が半数以上の「10頭」も出走する。過去の多摩川S(1600万下)は4歳馬有利だった。

 総じて軽ハンデなので4歳馬狙いはきわめて妥当だが、昨年までこのレースで好走していた4歳馬は、直前の5月までオープンクラス。ほとんどが「条件再編成」で現在の3勝クラス(1600万下に相当)に降格した馬だったことは忘れてはならないポイント。

 クラス替えがなくなり、今年の4歳馬10頭は「5月までも1600万下」であり、昨年までの4歳馬とは戦っていたクラスが異なる点には留意したい。ハンデの条件戦にランクも実績もさして重要ではないのだが、過去のレース傾向から簡単に「4歳馬の快走が多い」と考えると、5歳以上馬の逆襲にあう危険がある。

 そういう意味では、4歳馬が人気になりがちなので、ここ2戦の凡走でハンデ54キロ(前走比1キロ減)にとどまった5歳牝馬リカビトス(1600万条件で3戦連続1番人気だった)。

 前3戦このクラスで(0秒2、0秒2、0秒3)差の好走をつづけているのに、クラス名称変更でなんとなく印象が薄れ、ハンデ55キロ(前3戦より2キロ減)が妥当とされた6歳バティスティーニは、馬券の対象からカットしない方がいいかもしれない。

 その2頭と5月の湘南Sで対戦し、勝ったアンノートル(日曜のエプソムCでも伏兵評価)から0秒4差の7着だったミュージアムヒル(父ハーツクライ)を買いたい。ちょっと狭くなった直線坂上から、ゴール寸前まで争覇圏内で伸びていた。まだキャリア12戦【3-5-1-3】。マイラータイプを送ることの多いハッピートレイルズの牝系で、祖母サンタフェトレイル(父ノーザンテースト)はシンコウラブリイの半妹。この一族だけに、先週までほど高速馬場ではなくなる可能性大なのも有利。

 夏場に良績の集中するタイプで、6-9月は【2-1-1-0】。昨年6月の江ノ島特別(東京1600m)では初の古馬との対戦だったが、好位から抜け出し当時4歳の成長株だったソーグリッタリング(日曜のエプソムCの人気馬)をゴール前で突き放している。ここまで負けたレースの最大着差が前回の「0秒4差」。牝馬だけに54キロのハンデは事実上のトップハンデ.タイに相当するが、人気上位ではない。好位で流れに乗っての抜け出しに期待する。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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