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【水口優也騎手】運命の一頭 「大好き」なセカンドテーブルの引退に寄せて

  • 2019年06月09日(日) 18時01分
今週のface

▲水口騎手がパートナー・セカンドテーブルの引退を語る (C)netkeiba.com


水口優也騎手、28歳。一度は美浦所属でデビューした彼は栗東に移籍したことで多くの運命的な出会いを経験しました。そのうちの1頭がセカンドテーブル。火曜日から日曜日までつきっきりで調教に跨り、コース主体だった調教に坂路を取り入れるなどして体力強化を図ると、2017年CBC賞では13番人気ながらハナ差の2着に粘りました。それは水口騎手のキャリアで初めての重賞連対、さらに重賞初制覇を夢見た瞬間でもありました。

二人三脚で歩んできたセカンドテーブルは今年もCBC賞を目指していましたが、骨折のため引退。「在厩している時はセカンド一色で、大好きだった」という相棒と共に成長した日々を振り返ります。

(取材・構成=大恵陽子)


オーナーに「イチから調教をやらせてください」


――2014年京王杯2歳S勝ち馬のセカンドテーブルが先日引退し、ホーストラスト北海道で余生を過ごすこととなりました。重賞制覇は戸崎圭太騎手とのコンビでしたが、3歳秋から水口騎手が手綱を握るようになり、「名コンビ」という印象でした。

水口優也騎手(以下、水口) よく頑張ってくれたと思います。火曜日から日曜日まで毎日トレセンで調教に乗っていました。休養で牧場にいる時も乗りに行っていましたし、骨折した時は北海道の牧場まで会いに行きました。

 セカンド(テーブル)がいる間はセカンド一色で過ごしていて、大好きでしたね。向こうは嫌いだったと思いますけど(笑)。

――水口騎手ご自身は現在、栗東所属ですが、2010年デビュー時は美浦所属でした。栗東に来たのはどんなきっかけからですか?

水口 2年目の11月頃だったと思います。その年の夏は函館・小倉・札幌に滞在していたんです。そこで関西の調教師と話したりして繋がりができて、のちの所属の小原(伊佐美)先生に「こっち(栗東)に来る気ないか?」って声を掛けていただいたんです。

 実際に栗東に来ると、すごく良くしてもらって、「もうずっとこっちにいよう」と移籍しました。

――水口騎手の気さくな性格は、関西に合っているような気もします。

水口 それはね、デビュー当時から言われていました(笑)。元気よくしているつもりだったんですが、誰にでもフランクにしていたら逆に…。関西では相手からフランクに来るから、こちらもフランクに返して、それで成り立つ部分もあるので、合っていたのかなって思います。馬乗りだけじゃなくて、人と繋がることもすごく大きいということが栗東に来てから分かりました。

――関西の空気に馴染んでいくと、乗り馬や環境なども変わったんじゃないですか?

水口 栗東に来て可愛がってくれる人が増えました。以前から西園先生が北海道で乗せてくださっていましたし、小原先生もずっと可愛がってくれて、今でも仲良くさせてもらっています。

 セカンドテーブルの山上和良オーナーもそうで、栗東に来ないと出会えない人ばかりでした。美浦が嫌いなわけじゃなくて、栗東が合っていたのかなって思います。

――昨年は181鞍中76鞍が山上オーナーの所有馬ということもあり、主戦騎手というイメージも強いですが、元々はどんなきっかけで乗り始めたんですか?

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