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“降級制度”がなくなって“傾向”は出たのか分析してみました

  • 2019年06月08日(土) 12時00分

現れた東西で異なる“傾向”


 日本ダービーが終わると、その翌週から翌年の日本ダービーに向けた新たなシーズンが始まる。これは、JRAが基本方針として打ち出していることの1つです。

 それに従って、先週から2歳新馬戦がスタート。同時に、新たなクラス分けによる3歳馬と古馬の混合戦も始まっています。

 今までの条件戦は“賞金別”のクラス編成でしたが、今年からは1勝、2勝、3勝クラスという分け方に変わりました。

 いわゆる“降級制度”がなくなって、今後の条件戦に新たな“傾向”が見られるようになるのか? ひとまず先週のレースを分析してみることにしました。

 とはいえ、調べたのは1勝クラスのレースだけ。2勝、3勝クラスのレースは新制度スタート直後で、サンプル数が少なすぎますからね(1勝クラスのレースも東京と阪神で12レースしか行われていないので、少ないと言えば少ないのですが…)。

 すると、東西で若干異なる“傾向”が現れました。まず、東京で行われた1勝クラスのレース6戦のうち、3歳馬が3着以内に来なかったのは1戦だけ。あとの5戦では3着以内に3歳馬が2頭ずつ入っていました。

 一方、阪神でも、東京と同じく6戦中5戦で3歳馬が3着以内に来ていたものの、複数の3歳馬が入ったレースはありませんでした。東京より阪神のほうが古馬優勢だったわけです。

 東西あわせて3着以内に来た3歳馬15頭のうち14頭までが、遅くても2走前までに未勝利を勝ち上がっていました。つまり、前走で未勝利を脱出した馬は1頭だけ。逆に、4走前と2走前に未勝利戦(新馬戦を含む)を勝っていた馬がそれぞれ6頭ずついました。あとは3走前が2頭。間に休養があったかどうかは問いません。この時期の1勝クラスのレースで3歳馬を狙うなら、2〜4走前に初勝利を挙げた馬がいい、ってことですかね?

 1勝クラスのレースには、5歳以上で2勝している馬も出られます。先週の12戦中、5歳馬は3頭が勝ち、2着に2頭、3着に3頭が絡みました。勝った3頭のうち2頭と、2着に来た2頭のうち1頭は2勝を挙げていた馬。1勝クラス戦に2勝の5歳馬が出ていたら、馬単か馬連で買ってみるというのはいかがでしょう?

 これらをまとめて数字にすると、3着以内に来た36頭の中に占める3歳馬の割合は41.7%(東京では55.6%、阪神では27.8%)。そのうち、4〜2走前に初勝利を挙げていた馬は93.3%に達しました。

 一方、5歳馬の割合は22.2%(東西同率)、4歳馬は36.1%(東京22.2%、阪神50%)でした。5歳馬は別として、3歳馬と4歳馬の占める割合が東西でこうも違うのはどうしてか? どなたか説明できる方はいらっしゃいますか?

 まぁとにかく、先にも書いたようにサンプル数が少なすぎますよね。今週はデータの“逆読み”作戦で、東京で4歳馬、阪神で3歳馬を狙ってみましょうか?

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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