初の1200mの場合、経験してきた距離が重要になってくる
今週の函館スプリントSはダノンスマッシュとタワーオブロンドンが人気を分けそう。後者がマイル路線から転進してきたことで、面白い対決となった。
タワーオブロンドンはこれがはじめての1200m戦ということになるが、ジューヌエコール(当時3歳)が同じ状況から優勝しているし、通用する可能性は十分にある。一方で、どのくらいの確率で好走できると考えるかは難しいところだ。
参考になるかどうか分からないが、サマースプリントシリーズができた2006年を起点に、2つの類似事例を見てみよう。
まずは2006年以降、芝1400mの重賞に優勝した馬が、その年の芝1200mGIIIに出走したケース。これは[5-0-2-11]で、ソルヴェイグが単穴をあけているので回収率も高い。ただ、のべ18走でも実頭数は12頭(1頭で複数回出走することがあるので)で、いずれもそれ以前に1200m出走経験はあった。カレンチャンのように、むしろ1400m(阪神牝馬S)出走がイレギュラーだったケースもある。
次に2006年を起点として、芝1600mの重賞に優勝した馬がその年もしくは翌年に芝1200mGIIIに出走したケース。これは実頭数16頭・21走で[2-0-5-14]。面白いことに、こちらは前述のジューヌエコールと、あとはウリウリが1200m初経験で勝っている。
藤沢和厩舎は初の1200mではなかったがスプリンターズSの1回しか1200m経験のなかったキングストレイルが函館スプリントSで3着、1200m初だったレッドスパーダが1番人気を裏切る形とはいえオーシャンSで3着(その翌年にも3着)している。他厩舎ではレッツゴードンキが1200m経験の無いところから函館スプリントS→キーンランドCと連続3着した。こちらは1400→同年1600mに比べて、1200m初心者も走ってはいるのだが、3着止まりが多い。
こうしてみるといきなりの1200mでもそれなりにやれそうではあるのだが、積極的に買いたいというほどの根拠はない。また、成功例は牝馬が多めのようにも思える。ダノンスマッシュとの比較だと斤量面でもダノンが1キロ有利だし、2択ならば専門家のダノンを軸にとって、タワーオブロンドンは3着付けまでといった形を検討してもいいのではと思っている。