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門別競馬場の本格カレー

  • 2019年06月11日(火) 18時00分

メニューが増えると楽しみが増すのだが…


 先週、北海道スプリントCの取材で門別競馬場に今シーズン初訪問。レース以上に気になっていたのは、新たにポラリス☆スタンドに入ったインドカレーのお店だ。

 門別競馬場では、大人気だったドライカレーの小径(こみち)cafeが人手不足などで昨シーズン限りで撤退。最終日、道営記念には行く予定にしていたのだが、胆振東部地震の影響で道営記念の日程が1週間延期となり、別の予定と重なって残念ながら昨シーズンは開催最終日を見届けることができなかった。

 小径cafe最終営業にあたって、現地ライターやカメラマンさんなどが花束を持ってお礼にうかがったのだそうだが、ライターY君などは号泣していたらしい。という写真がSNSなどにアップされていた。

 それほどファンやマスコミ関係者に愛されていた小径cafeのあとに入ったのがインドカレー屋さん。であることは、やはり関係者のSNSなどを見て知っていた。

 馬産地日高の育成牧場や、門別競馬場の厩舎では、昨年あたりからインド人騎乗技術者が大量に雇用され、それにともなって日高あたりにはインド料理の店なども増えてきているようだ。

 そんななか、門別競馬場で営業を始めたのが、LUMBINI FOOD CAFE(ルンビニ・フード・カフェ)だ。

門別競馬場に今シーズンオープンした本格カレーのルンビニ


 看板には『本格ネパールカレー&アジアン料理』とあるので、正確にはインドではなくネパールなのかもしれない。実は、馬産地を中心にチェーン展開する、ルンビニ・グループの1店舗としてのオープンだった(公式HP 外部サイトへ移動します)。車で数分のところには富川店もある。

 で、その門別競馬場で、まず食べたのが、これ。チキンベジタブルカレー、600円也。ナンかライスかは選ぶことができるが、インドっぽいカレーだけに、写真のとおりもちろんナンを選んだ。

チキンベジタブルカレー・ナン(600円)


 ナンは店内の専用窯で焼いているようだ。きちんとたたまれて紙袋に入っているのを受け取ると、こんなちっちゃいの?と思ったが、広げてみるとご覧の通り、それなりの大きさがあった。

 そしてチキンベジタブルカレーだ。うん。おいしい。おいしいよ。おいしいんです。しかし。ちょっと残念なのは、カレーが、このチキンベジタブル、一択なこと。

 ルーは、たしかにインドカレーっぽいもの。ジャパニーズ・スタイル・カレーとは一線を画している。鶏肉のほか野菜はじゃがいもなど、いわゆる日本のカレーにありがちなもので、味もマイルドなのは、万人受けを狙ったものと思われる。

 ただカレー以外のメニューはいくつかあり、タンドゥーリチキン、チキンティッカなど鶏肉をスパイシーに焼いたもののほか、チキンティッカとコールスロー的な野菜を薄いナン生地で巻いたチキンカティロール、牛肉と生野菜を袋状のナン(なのか?)に入れたビーフサラダパンなど。飲み物もプレーン、マンゴー、いちごのラッシーがある。

 写真のとおり、カレーはテーブルがないと食べられないが、チキンカティロールやビーフサラダパンなら立ったままでも食べられる。

 でもね。インドっぽいカレーの店で、カレーが一択なのはちょっと寂しい。やっぱり、それなりにスパイシーなのとか、キーマっぽいカレーとか食べたいじゃないですか。カレーが一択だと、「次回は何を食べよう」という楽しみがないじゃないですか。

 前述のとおり、車で数分のところには富川店がある。そこのメニューを見ると、イエローペーストのカレーが9種、ダル(豆)ペーストが2種、トマトベースのレッドペーストが7種、ほうれん草ベースのグリーンペーストが4種、さらに北海道らしくスープカリーも4種ある。

 車ですぐなのだから、富川店から数種、たとえば日本でも人気のキーマとかバターチキンあたりを鍋でちょっと運んでくるわけにはいかないのだろうか。週2〜3日開催で、年間のうち7カ月ほどしか営業しない門別競馬場店が、フランチャイズの独立採算制ということはないだろう。カレーが3、4種類程度でもあれば、リピートするファンも増えるはず。ここは将来的な発展を期待して、激励の“喝っ!”ということで、お願いします。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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