スマートフォン版へ

大物のデビューはすぐそこに!?

  • 2019年06月15日(土) 12時00分

競馬に限らず“デビュー戦をナマ観戦”は貴重な思い出に


 今週12日、北海道日本ハムファイターズの高卒ルーキー・吉田輝星投手がプロ初登板初先発初勝利を記録しました。

 直前の二軍戦が大乱調。さらに、1回表にいきなり満塁のピンチを招いて、どうなることかと思わせましたが、それを切り抜けたあとはわりとスイスイ投げていたようです。アノ方の決めゼリフを拝借すれば、まさに「アッパレ!」でした。

 実は私も、ある大物高卒ルーキーのデビュー戦を実況したことがあります。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。そう、松坂大輔投手です。

 今から20年前の1999年4月7日、東京ドームで行われた日本ハム対西武2回戦。ふだんの中継は18時スタートでしたが、当日はこれを30分早めて17時30分から始めました。予告先発で松坂投手が投げることはわかっていたものの、先発バッテリーの場内アナウンスもお聞かせして、ワクワク感を高めようという“特別措置”。そうする価値がある初登板でした。

 吉田投手初登板の試合では、札幌ドームのファンに「観戦証明書」がプレゼントされたとのこと。これも“特別措置”です。今後、吉田投手が期待どおりに(期待以上に?)大活躍すればこれは“お宝”になるでしょうね。

 競馬でも、後の名馬のデビュー戦をナマ観戦した、というのはいい思い出になるはず。JRAではダービーが終わった後の先々週から2歳新馬戦が始まっています。来年の3歳クラシックを勝つ馬は、どこでデビューするのでしょうか?

 今年の皐月賞、ダービー、桜花賞、オークスを制した馬はどの新馬戦でデビューしていたか、改めて一覧にしてみました。

 皐月賞・サートゥルナーリア=18年6月10日阪神芝1600メートル戦1着
 ダービー・ロジャーバローズ=18年8月18日新潟芝2000メートル戦1着
 桜花賞・グランアレグリア=18年6月3日東京芝1600メートル戦1着
 オークス・ラヴズオンリーユー=18年11月3日京都芝1800メートル戦1着

 ご覧のとおり、グランアレグリアが2歳新馬戦開幕週、サートゥルナーリアが同2週目でデビュー勝ちしています。夏の新潟デビュー馬がダービーを制したというのも“特筆もの”。去年の年度代表馬アーモンドアイも、17年8月6日の新潟芝1400メートル戦でデビュー(2着)していましたからね。

 大物のデビューはまだまだ先、秋競馬からが注目、なんて悠長に構えていてはいけないのかもしれません。ひょっとすると、来年春の3歳クラシック勝ち馬はすでにデビューしている可能性もあるわけです。

 ちなみに、2000年の桜花賞馬チアズグレイス、12年の皐月賞馬ゴールドシップ、13年の皐月賞馬ロゴタイプが函館の新馬戦で勝ち名乗りを上げています。15日から始まる函館競馬の新馬戦にも注目していきましょう!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング