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何かやってくれそうな雰囲気を漂わせる1頭とは!?宝塚記念の追い切りをチェック!

  • 2019年06月19日(水) 18時02分

前走から中7週で追い切りを5本!海外帰りでも順調示す


 先週、大量の競走除外が出た件についてはJRAホームページにて、いろんな説明が発表されています。「飼料添加物『グリーンカル』が納入されていた厩舎の今週出走予定馬に対する薬物検査」についても、全馬が陰性だったということで、ひとまずは落ち着いたという認識です。今週末も競馬場でファンの方に競馬を教えるという仕事がありますが、その中で不安に感じているお客様がいれば、丁寧に説明させていただく。それが自分のできることかなと思っています。

 いよいよ、上半期のJRAでのG1がラスト。宝塚記念ですが、頭数が少ないわりに、本当に頭を悩ませるメンバーになりました。しかも、みな調子が良いので、どの馬に重い印を打つべきなのか、すでに悩みまくっています。ですから、今回は「厚い印」というよりも「熱い印」を打つことができれば、なんて思っていますので、こちらは週末のウマい馬券をご覧ください。

 また、今週はG1ですので、宝塚記念の調教全頭解説「重賞捜査網」が金曜日に更新されます。そちらもぜひご覧ください。

【宝塚記念/アルアイン】

 ブリンカー2走目となった前走は、その効果をしっかり発揮する1着。皐月賞以来の勝利となりましたが、追い切りの時点からブリンカー効果を感じさせる動きを見せていた点が良かったと感じています。

 この中間、再びそれを感じることができたのは1週前追い切り。坂路でスプマンテとの併せ馬でしたが、追走して先着。4F時計50.8秒は自己ベストを更新する時計でした。その後は坂路での普通キャンターが時計になっているので、かなり気持ちが入ってきたのかも知れません。そして、最終追い切りは坂路4F53.8秒。この数字は昨秋に最終追いを坂路に変更してから以降、最も遅い数字になります。ここまでの調教の流れを考えると、普段からある程度の時計になっていることを考えると、オーバーワークにならないような時計なのかも知れませんが、これをどう判断するかでしょう。

アルアイン

大阪杯を制した勢いのままGI連勝を目指すアルアイン(6月18日撮影)


【宝塚記念/リスグラシュー】

 前走香港からのレース間隔は中7週。追い切りは3本程度になるのかなと想定していましたが、最終追い切りを含めて5本。これは思っていた以上に本数を消化してきましたし、6月7日の時点で時計を出せたあたりに海外帰りでも順調だということを示しているのかも知れません。

 1週前追い切りが素晴らしい内容で、併せ馬に先着。最終追い切りはD.レーン騎手が跨り、これまた併せ馬先着ですが、時計は4F54.3秒と遅め。栗東坂路での追い切りに乗り慣れているわけではないジョッキーですから、このあたりは仕方ないところかも知れません。昨年のヴィクトリアMの最終追い切りが坂路4F54.4秒で結果を出していますから、この時計を極端に心配することはないですが、良い結果が出なかった時に「これが」という可能性はありそうです。

リスグラシュー

海外帰りでも5本の追い切りをこなしており順調とみるリスグラシュー(6月18日撮影)


【宝塚記念/エタリオウ】

 netkeiba.comの予想オッズが23日早朝時点でスワーヴリチャードよりも上。リスグラシューあたりとは差のない数字になっていることに驚くとともに、いかに横山典弘騎手との新コンビに期待値が大きくなっているかを示すような人気といった気がします。

 陣営から天皇賞・春の疲れが残っているかもと聞いていた入厩当初から先週の1週前追い切りの期間で急上昇なカーブを描いている状況。特に1週前追い切りにはジョッキーが騎乗して、これまでになく反応よく動く併せ馬でした。最終追い切りは単走でしたが、前方にはアドマイヤキングが見えている状態。それを見ながら、じわじわとラップを速めていく形で、最後は追いつくか追いつかないかでフィニッシュ。時計が遅くて地味な内容になりましたが、何かやってくれそうな雰囲気があることには間違いありません。

エタリオウ

横山典弘騎手との新コンビに期待が高まるエタリオウ(6月18日撮影)


【宝塚記念/スワーヴリチャード】

 ドバイ遠征帰りということもあり、帰厩当初は軽視するつもりでしたが、そんな考えは撤回しなくてはいけないと思った1週前追い切り。本当に素晴らしい内容でしたが、最終追い切りで再び扱いを悩ませる事態になりました。

 それが芝馬場での追い切り。そもそもEコースをキャンターしている時点で「?」と思ったわけですが、そこからDコースの2コーナーでM.デムーロ騎手に乗り替わり。芝馬場に入って単走で追い切りました。実は追い切り後に庄野靖志調教師に会うことができたので『どうでした?』と逆取材されたのですが、そりゃあ、動きは良かったですよ。でもなんで芝?というこちらの取材には『理由はいろいろあるんだけど』と。

 それは共同会見で話してくれるようなので、その記事をご覧ください。馬のリズム重視という意味で、場所変化は評価できますが、宝塚記念に対する調教適性という意味では高い評価はできません。

スワーヴリチャード

芝馬場での追い切りが不安視せざるを得ないスワーヴリチャード


【宝塚記念/マカヒキ】

 ダービー馬だけに「あの頃に戻っている?」という疑問がファンの率直なところだと思います。ただ、あの頃とは違います。でも、今のマカヒキはいいと思います。馬体も当時よりも筋肉質になりましたし、走るフォームも変わってきました。今はそれに最適と思える調教内容で、馬を仕上げていっているような気がします。

 その集大成が最終追い切り。騎乗していた大江祐輔調教助手いわく「やればいくらでも時計は出ます」と言いますが、今回の坂路4F50.6秒が自己ベストを更新する時計。週を追うごとに4F時計が速くなっている点については「ここが最大目標ですから」という同助手の言葉の裏付けになります。あとは自分の眼で見れる21日の調整まで見守って、印評価を考えます。

マカヒキ

ここにきて坂路調教の自己ベストを更新したマカヒキ、果たして状態はあの頃に戻っているのか(6月18日撮影)


◆次走要注意

・6/9 ユニコーンS【イメル】(11人13着)

 パドックでの雰囲気は本当に最高。だからこそ、前半3F33秒台の流れもしっかりついていくことができたのでしょうが、結果的には距離が長すぎました。きっと1200mでも対応できるくらいの馬。自己条件ならすぐに勝ち上がります。

[メモ登録用コメント] [ダート短距離]音無秀孝厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【ヤマニンエルモサ】
 19日のCWでの追い切りはゴータイミングのパートナーを務めた形ですが、動きには余裕があって、併せ馬に遅れたというイメージは払拭した方がよいくらい。気性的にも落ち着きがありそうですし、これは楽しみ。来週の中京マイルでデビュー予定。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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