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宝塚記念は、東京芝2400mとは欧州型ノーザンダンサー系の重要度が異なる

  • 2019年06月21日(金) 19時00分

東京2400mでの敗戦はポジティブな敗戦といえる


 
【厳選・勝負予想!】亀谷敬正の宝塚記念予想を公開予定!

・ディープインパクト
・ステイゴールド
・欧州型ノーザンダンサーの影響度

 たった3つの血統のポイントをつかむだけでオークス、ダービー、安田記念は大儲けできました。(これは結果論だけではなくて、ダービー、安田記念は最終的に公開した予想もウマくいきました)

 ダービーはオークスに続きディープ産駒の1、2着。最終的に公開した予想で◎ダノンキングリー▲ロジャーバローズ4番手ヴェロックスで的中。安田記念はステイゴールド産駒のインディチャンプを本命にして的中。

 ダービーは、昨年出した拙著「血統の教科書」にも書いたように、欧州型ノーザンダンサーの影響度が強すぎない方が走るレース。欧州の名血サドラーズウェルズの「重い血」を持たない馬のほうが合うぐらい。

 能力の方向性は一定ではありません。スピードを強化しようとすればスタミナは下がるし、スタミナを強化しようとすればスピードが下がります。

 サドラーズウェルズはスタミナや馬力を強化する代わりに、ダービーで要求されるスピードは削がれやすいです。だからダービーは、ディープインパクト産駒の中でもサドラーズウェルズを「持たない」馬の方が合うのです。

 今年のダービーは、ディープ産駒は4頭でした。このうち、サドラーズウェルズを「持たない」馬はダノンキングリーとロジャーバローズの2頭のみ。だから2頭とも上位に評価しました。

 一方、安田記念は父ノーザンダンサー系が走るように、ノーザンダンサー系の影響度が強い方が走りやすいレース。

 本命で優勝したインディチャンプの父ステイゴールドはノーザンダンサー系が走りやすいレースに強い種牡馬。実際、安田記念も2着はノーザンダンサー系。

 宝塚記念も欧州型ノーザンダンサー系の影響が強い馬に走りやすいレース。一昨年も勝ち馬はノーザンダンサー系のサトノクラウン。昨年もノーザンダンサー系の外国馬ワーザーが2着。

 ノーザンダンサー系の影響が強いレースに強いステイゴールド産駒も宝塚記念を5勝。なお、同種牡馬の産駒はダービー、JCは合計で1勝のみ。

 対照的にダービー・JCでは強いディープインパクト産駒は宝塚記念は1勝。唯一の勝ち馬マリアライトは、母系にダービーでは相性の悪いサドラーズウェルズ系を持つ馬というのは、大変興味深い傾向であり、宝塚記念の構造を端的に示す事象ともいえます。

 リスグラシューは母系にサドラーズウェルズ。クラシックは一歩及ばずの戦歴。だからこそ、クラシックが行われない距離で行われる芝2200mは強くエリザベス女王杯も優勝。クラシックでも最もパフォーマンスが悪かったのは東京芝2400m。東京芝2400mと宝塚記念は相反する要素もあるので、むしろポジティブな敗戦ともいえるぐらい。

 なお、宝塚記念ではディープ産駒は牝馬が優秀。これは適性というよりもG1で通用する馬は牝馬が有利というのも強く影響しているのではないでしょうか。リスグラシューも牝馬であることは有利。

 今年の宝塚記念は東京G1巧者やクラシックが行われる距離に強い馬が揃いましたので、残りの馬の取捨は土曜の馬場なども観ながら、じっくり判断したいです。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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