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クラシックを目指し函館に入厩する馬たち(津田照之)

  • 2019年07月09日(火) 18時00分

入厩する馬の質も上がっている中で注目した馬


 開幕週から3週間は短距離戦のみの番組構成だった函館の新馬戦だが、先週から芝の1800メートル戦がスタート。いよいよクラシック戦線に向けた争いが始まった。それに伴い、函館競馬場に入厩する馬の質も徐々に上がってきている。

 リズムオブラヴ(牝、父ディープインパクト、母ミュージカルウェイ、藤原英)は私、津田が放送や紙媒体を通じて、「この馬はいい」と言い続けてきた馬(情報入手が遅かったため、赤本では指名していないが…笑)。実際、生で見てみると、他の2歳馬とは違った雰囲気。大げさに言えば、1歳年上かと思えるくらい、付くべき所に筋肉が付き、いい体付きをしている。早速、調教を付ける田中博助手に取材をしてみると、「この馬、テレビでいつも推してるやろ。だって、取材する目付きが違うもん」と冷やかされる始末。

 それでも何とか食らいつくと「最初は前さばきが少し硬く感じたけど、キャンターに行くと問題なく、背中の感触はむしろいい。ミッキークイーン(オークス、秋華賞勝ち)の全妹ということで周囲の期待は大きい馬だけど、実際、走ってきそうな雰囲気はある」とのこと。牧場筋からの情報でも「同時期の姉よりも気配は上」との評価を耳にする。馬体重は現時点でおそらく450キロ前後。函館でゲート試験に合格後、一旦、放牧に出され、デビューは秋になりそう。

 石坂正厩舎のウェイトゥザトップ(牡、父ジャスタウェイ、母トップライナーII)は全兄に新馬勝ちしたトスアップがいる。担当する杉山厩務員によると「函館入厩当初は504キロあったけど、今は絞れて490キロくらい。それでも今が成長段階だから、これからもっと大きくなりそう」とのこと。実際、馬っぷりの良さは目立っている。そして7月4日には無事、ゲート試験に合格。

「入りも出もまったく問題なかった」のは明るい材料。この馬も成長を促すため一旦、放牧に出され、デビューは秋以降になりそう。大型馬にありがちな「緩さ」が抜けてくれば、楽しみな存在。

 一方、今週(7月14日)の函館で行われる芝1800メートルの新馬戦は少なめの頭数で行われそう。

 安田隆厩舎のドゥラモット(牝、父ルーラーシップ、母シェリール)は2018年のセレクトセール出身。兄にムスカテール(目黒記念勝ち)、グロンディオーズ(現在5戦3勝、菊花賞にも出走)がいる良血馬。「調教をやる毎に動きが良くなり、息遣いも上々。併せる形になると、グッとハミを取ってくれる点もいい。血統的に長い距離も合っている」とは藤巻助手。7月3日、芝コースの追い切りでは先週の新馬戦で2着したブラックホールに追走して同入。動きは素軽かった。馬体重は480キロほど。北村友騎手でデビューを予定。

 宮本厩舎のキッズヒヤミカチ(牡、父ハービンジャー、母ブラッキーピサ)は2018年の北海道セレクションセール出身。「まだ緩さはあるけど、調教に乗ったジョッキー(勝浦騎手)の感触はいい。心肺機能が高く、長めの距離が合っているタイプ。先々も含め、楽しみな馬」とは前川助手。7月3日、芝コースの追い切りでは古馬1勝クラスのエレクトロニカに先行して同入。芝向きのフットワークが目に付いた。馬体重は460キロほど。勝浦騎手でデビュー予定。

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