絶品の動きを見せた実績馬も枠順次第か
今週の重賞は函館記念。出走馬は函館競馬場もしくは札幌競馬場で最終追い切りを行っての出走になると思います。よって、今週の当欄で取り上げるのはオープン特別もしくは下級条件ということになります。重賞ではないと聞けば、少しボリューム不足にも思えますが、予想して馬券を買うのにクラスは関係ありません。
特にバーデンバーデンCはハンデ戦ということもあって、馬券的な妙味がたっぷりなレース。現時点であらかじめの予想を固めておいて、枠順が出てから本決めに持っていくという流れがよいと思います。その参考になるよう、少し馬を多めの取り上げておきました。
【バーデンバーデンC/アンヴァル】
netkeiba.comの予想オッズは1番人気。54キロというハンデも妥当なところですし、福島芝1200mを勝った実績があることを考えても、当然の評価かも知れません。まして1週前追い切りは坂路で4F50.7秒という自己ベストを更新しながら、4F目12.0秒で最速ラップ。調教内容にケチをつけるところはありません。
最終追い切りも坂路で単走。スタート地点へ向かうまでに少しテンションの高いところを見せましたが、走り出すとスムーズ。安定したフットワークで4F52.1秒、1F12.3秒。2F24.5秒の脚力はさすがですし、状態に関しては休み明けとして申し分ないと思います。
【バーデンバーデンC/カラクレナイ】
前走は勝ち馬から1秒以上離された8着でしたが、やはり1400mよりも1200mが合うタイプなのは間違いないでしょう。ただ、1200mに関してもそこまで安定して走れているわけでもないのに54キロ据え置きはやや人気先行タイプに思えてしまいます。
調教内容に関してはいつもの同じパターン。CWで4F追いを行って、週末には坂路では時計を出す。今回も全く同じです。今回はCWでの4F時計が速いので、その点は過去の1200mを使った時とは微妙に違います。これが良い方へ出ればと思いますし、あとは最終追い切りがどんな内容になるか。少なくともラスト1Fは12秒を切るようなラップがいいでしょう。
最終追い切りがどんな内容になるか楽しみなカラクレナイ(7月9日撮影)
【バーデンバーデンC/モアニケアラ】
3ヶ月ぶりの休み明け以上に気になるのは久しぶりの芝。新馬、未勝利と2走続けて芝を走った後はずっとダートですから、オープンで通用するのかというところになりますよね。ここで気休めに書いておくと、新馬戦3着だった時の2着はダノンプラチナ。後に朝日杯FSを勝ち、香港マイルまで遠征した実績がある馬です。
この馬自身に関しては、追い切りでの動きが絶品。もともと坂路で終い重点だと動くタイプですが、それにしても4F54.1秒の2F24.8秒は評価できます。1F12.1秒と終いは鋭く伸びており、前半に脚をためると、後半はしっかり伸びてくれます。そのあたりは馬のことをよく知っている横山典弘騎手ですし、あとはどの枠順からどんな競馬をするかだけ。
追い切りでの動きが絶品だったモアニケアラはどの枠順からどんな競馬をするかが期待される(7月9日撮影)
【マレーシアC/アフリカンゴールド】
競馬場へ行くと気性的な問題があって、それを解消するために去勢手術を行いました。セン馬になったことで「普段が大人しくなりました」とは担当する平田調教助手。しかし、追い切りに関しては、特に力強さなどがなくなったということはありません。
むしろ今回は1週前も最終追い切りもCWで重心が低い走り。2走前あたりから、少し上擦った走りに思えていただけに、特に今回が良く見えます。時計も6F83.1秒、1F11.8秒なら上々だと思いますし、あとはレースでしっかり走ってくれるかどうか。
セン馬になったことで普段が大人しくなったアフリカンゴールドは力強さを欠くことなく上々な動きを見せた
【名鉄杯/ジョーダンキング】
JRAに再転入してから着実に階段を上がって、ここ2走の重賞が勝ち馬とは0.6秒差以内の競馬。いきなり勝ち負けするような派手さはないものの、確実に重賞でもやれるだけの力を付けている段階だと思います。少し流れに乗れなかったマーチSに比べると、平安Sは相手が強化したにも関わらず、中団から脚を使えた印象です。
1週前追い切りに川田将雅騎手が跨り、最終追い切りは小崎稜也騎手。いずれもCWでの併せ馬でしたが、やっぱり反応の鈍さはあります。だからこそいい脚を長く使えるタイプなのは間違いないですし、少しずつ重賞に対応できる機敏さも出ていますから、オープン特別ならという印象もあります。
いい脚を長く使えるタイプであり、確実に重賞でもやれるだけの力を付けてきているジョーダンキング(7月4日撮影)
◆次走要注意
・7/7 2歳新馬【シェイクスピア】(5人10着)
陣営からは「初戦からというタイプでは」と聞いていましたが、最終追い切りの動きが抜群だったので本命。しかし、レースでは最後の直線でバラバラになりました。どうも馬を気にするタイプのようで、やっぱり初戦向きではなかったよう。慣れた次走以降は狙えると思います。
[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが栗東坂路で4F目最速なら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・2歳新馬【ギルデッドミラー】
1週前追い切りはCWで川田将雅騎手が跨って、最終追い切りは坂路で古馬に先行する内容。相手が追いつくところもなくゴールしての先着。ラスト1Fは12.0秒ですから、そりゃ追いつけないよなという感じ。レースでもすんなり主導権を握ってしまえば。
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