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【函館記念】1番人気が12連敗中、波乱必至の夏重賞

  • 2019年07月13日(土) 18時00分

巴賞好走馬は危険なのが定石だが…


 夏のローカル重賞は、どのレースも波乱の結果を喜んで受け入れる。まるでその存在をアピールするように…。函館記念は現在、1番人気馬が12連敗もしている【0-2-0-10】。結果、3連単はこの12年間で9回も10万円を超えている。

 もちろん、急に荒れ始めたわけではない。3連単の前に好配当を生むとされた馬連が導入されたのは1992年。すると1番人気馬は11連敗を喫した。1992年から10年間の函館記念では(途中で3年だけ別定戦)、現在と同じハンデ戦で行われた残り7回の馬連は、すべて万馬券だった記録がある。

 波乱の要因は多様だが、ハンデ戦に定着した1997年以降、ハンデ頭の勝ち馬は22年間でたった3頭だけ。重いハンデを課せられた馬は総じて信用できない。

 1番人気馬が11連敗、12連敗もしているくらいだから、ハンデも関係し、人気上位馬(とくに1番人気馬)は信頼できない。

 また、賞金別定戦→ハンデ戦と変化するので、日程も合わせ、前哨戦の巴賞好走馬は危ない馬の典型とされる。

 ただし、重いハンデの1頭、今年のスズカデヴィアスは、ちょっと状況が異なる。快勝した前哨戦の巴賞は小刻みな賞金別定のため、負担重量は59キロだった(同馬の過去の経験は最大57キロ)。それが今回はハンデ57.5キロになる。

 オープン特別を勝ちながら、次走のハンデ戦になって負担重量減は非常に珍しい。GIの定量58キロから、0.5キロ減などの例はあるが、「厳しい負担重量59キロで勝った馬の1.5キロ減」は、ハンデ戦の函館記念のなかできわめて特殊なケースである。

 過去の傾向から、重いハンデは嫌われる。まして巴賞組である。だが近年、芝のオープンを59キロで勝った馬などめったにいない。まして軽い馬場ではない。8歳スズカデヴィアスの再度の快走がありえる。近年、巴賞の好走馬が本番で不振なのは、負担重量が重くなるか、据え置きだからである。

 8歳スズカデヴィアス(父キングカメハメハ)の牝系は、パワー型に近い欧州系がベースであり、ピッチ走法のストライドは鋭い。切れ味勝負なので重-不良馬場は歓迎ではないが、タフな8歳馬。稍重程度は平気だろう。穴馬は上昇中の4歳馬で、デキ一変のマイネルファンロン(父ステイゴールド)。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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