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【中京記念】この馬の牝系一族は馬場を問わず勝負強い

  • 2019年07月20日(土) 18時00分

軽ハンデが一段と大きな味方になる可能性が高い


 中京記念の中京と、函館2歳Sの行われる函館の天候は、どんどん変化し雨の可能性はきわめて小さくなった。良馬場に回復すると思える。

 2012年から7月に移った「中京記念」は5歳以上馬の天下だった。この7年、連対した14頭はすべて5-7歳馬であり、3歳馬は【0-0-0-4】。4歳馬は【0-0-2-7】だった。しかし、これは春のGI上位組の3歳馬は大半が夏休みに入っていること。また、昨年まで条件再編成後も引き続きオープン格の4歳馬は、ビッグレースの主役級でもあり、やっぱり夏のオーバーホール期間なので、このハンデGIII重賞は路線外になるからだった。

 だが、今年は、GIヴィクトリアマイル快走の4歳牝馬プリモシーンがベストの左回りのマイル戦を狙って、実質トップハンデ(牡馬なら57.5kgに相当)を課されながら勝ちに出てきた。3歳馬はNHKマイルC3着のカテドラル、10着グルーヴィット、14着クリノガウディーが52〜53kgの軽ハンデで、合計3頭も挑戦する(過去7年で4頭だったのに)。

 組み合わせが異なるから、これまでとは一変がありえる。昨年、NHKマイルC13着のフロンティアが、軽量53kgで0秒3差の4着だった。今年は良馬場でも少々時計を要する芝コンディション。軽ハンデが一段と大きな味方になる可能性が高い。

 グルーヴィット(父ロードカナロア)に期待したい。NHKマイルCはグランアレグリアの斜行降着の際(ダノンチェイサーに接触)、その真後ろにいて余波を受けたのがグルーヴィット。さらには坂上で前が詰まりブレーキをかけつつ進路変更する2度の不利があった。10着でも差は0秒5だけ。3着カテドラルとの0秒4差はあってないに等しいはずである。もちろん、カテドラルも有力。

 グルーヴィットのファミリーは、4代母ダイナカール→3代母エアグルーヴ。この牝系一族は馬場を問わず勝負強い。NHKマイルCの57kgから5kg減が魅力だ。

 良馬場に近く回復すれば、力量は完全に一枚上のプリモシーンに、3歳グルーヴィット、カテドラルをうまく組み合わせたい。クリノガウディーも朝日杯FSのように折り合って差す形なら侮れない。古馬の穴馬は、タフな馬場OKコンビのミルコ=ロードクエスト。

「函館2歳S」はほぼ良馬場の見込み。小柄でも大跳びのレッドヴェイパーには、天候の味方に加え、新馬で差されて負けたかと見えたケープコッド(次走の未勝利圧勝)が除外になる幸運が重なった。近年の傾向通り、あまりレベルの高い組み合わせにならなかったので、もまれない外を引いたゴッドスターと、大楽勝で2連勝の公営馬アザワク(父カレンブラックヒル)が相手候補。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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